清国の国旗
先日、今年の干支である辰、これに因んで龍と国旗のことを書きながら大事な国旗に触れるのを怠っていました。
現在の国旗ではブータンに大きく龍が描かれているのをはじめ、マルタ国旗のガーター勲章の中とか、さらには、モスクワの市旗や市章にも聖ジョージ(ゲオルギオス)が今のグルジアで龍(ドラゴン)を退治する様子が登場するということを、前回紹介しました。
また、グルジアやイングランドの旗と、聖ジョージの伝説のことについても書きました。
しかし、肝腎の清国の国旗について触れなかったのは、「片手落ち」と言われても仕方ありません。
ちなみに、私は、NHKラジオの生番組でイラン・イラク戦争につき、一方にこうして、他方にそうしないのは日本外交の「片手落ち」ではないかと発言したところ、インタビューアーのHアナが、最後に、「ただ今の番組の中でゲストの発言にふさわしくない表現がありました。お詫びして削除とさせていただきます」というのです。
ゲストって、私だけです。Hアナのその言葉で番組が終わりましたので、私は「キョトン」としてしまいました。それがこの表現だったのです。
放送では「バランスを欠く」「一方的だ」「公平に」といった表現をするようですが、これではいいたいことをピシッと表現できたように思えないこともあるのではないでしょうか。
私はもとよりいわゆる「障がい(障害。障碍)」を持たれる方に差別感を持ったり、優越感を抱いたりはしてこなかったし、していないつもりですし、そのための活動にも内外で長年、携わってきています。差別用語と一概に排除するのはむしろ、言語文化の中で培われてきた「単語を差別する」ことになるのではないでしょうか。
「ちなみに」と書き出したことが横路に逸れ、長くなりすぎました。
清国の国旗の話に戻りましょう。
「黄龍旗」と呼ばれる、清国の龍を描いた国旗が1636年から、辛亥革命の1912年まで300年近くにわたり、「世界の中央に君臨する国」「世界に冠たる国」の幻想のもとに、今の中国大陸に翻っていたのです。かの大陸で黄色は最も高貴な色とされているものです。