ボロボロの英国旗

少し古い話で恐縮だが、2013年2月22日発のロイター電は、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同日、英国債格付けを「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げた。中期的な成長見通しの弱さなどが理由とし、成長低迷は数年続くとの見方を示した。35年ぶりの引き下げ格付けだという。記事は以下のように続くが、ボロボロの英国旗「ユニオン・ジャック(ユニオン・フラッグ)」を掲げているのだからすごい。

昔、「日の沈むところのなかった」大英帝国の時代以来、船員は日がな一日、こうして英国旗の裾を、備蓄してある原反で補修したものだった。染色技術の発達した日本では、大きなものは別として、国旗を染色で製造することが多いが、世界的には圧倒的に、原反縫い付けの方式で作製する。オリンピックのように大量に国旗を発注するときには、各国の国旗のデザインを示し、布を指定し、製造法を書いた仕様書を作成するのも組織委員会の重要な仕事である。50年前の今頃、ようやくそれを終え、入札を始めようとしていた私だった。

但し、2020年にはトルクメニスタンのような当方もなく複雑なデザインの国旗もあるので、さてはて、仕様書作りは大変な難題になってきそうだ。少々、話が横道にそれてきたので、この話はこれまでに。

中期的な成長見通しの弱さなどが理由とし、成長低迷は数年続くとの見方を示した。

英国の格付けを最上位から引き下げるのは大手格付け会社の中でムーディーズが初めて。格付け見通しは「ネガティブ」から「安定的」に変更した。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスはいずれも「ネガティブ」としている。

ムーディーズは、英経済には構造的な強さがかなりあるものの、世界経済の減速に加え、国内の公的・民間部門で続いている負債圧縮による英経済への影響を踏まえると、成長は低迷する見通しだと指摘した。

同社のソブリン債アナリスト、サラ・カールソン氏はロイターとの電話インタビューで、英経済成長率は2 – 2.5%がトレンドだとし、「成長率はゆっくりとこの水準に戻る見通しだが、財政状況も合わせて考えると、債務の対国内総生産(GDP)比がピークに達するのは2016年と、数年前の想定からかなり後ずれする見込みだ」と述べた。

ムーディーズは英債務の対GDP比率が現在の90%から2016年には96%に上昇すると予想している。

オズボーン英財務相は格下げについて、着実な経済政策の遂行に向けた政府の決意を強固にすると同時に、同国が抱える債務問題を痛感させるものだと表明した。

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