独立求めカタルーニャでも住民投票が

バロセロナを中心とするスペインのカタルーニャ地方で独立運動が盛んである。9月11日、そのための大きなデモが行われた。スイスと同じ750万の人口で、経済的にはスペインの平均を大きく上回っている。


独立を求めて掲げるカタルーニャの「国旗」

カタルーニャ広場に集まる独立支持派(2014年9月11日)

現在のカタルーニャ自治州の旗

9月28日の朝日新聞に冨永格特別編集委員がコラムの冒頭でこう書いている。

五輪とサッカーの街である前に、バルセロナは誇り高きカタルーニャ自治州の都である。そこでいま、スペインからのインダパンデンシア(独立)が熱く、危うく語られている。

市街を東西に貫くグランビアは、プラタナス並木4列を従えた大通りだ。9月11日、この道は「旗の川」になった。100万の民が独立を叫び、州の旗を振る。そのさまはモネの絵を思わせた。19世紀、革命記念日が近いパリに無数の三色旗が翻る一枚だ。

写真を見ると、独立を目指す州民が掲げたのは「州の旗」ではなく「独立の旗」である点はこの記事をあいまいにしている。

それはともかく、スコットランドの独立と大きな違いが4つあるように思う。

第1は、民衆の支持の大きさだ。特定の政治家や政党による独立運動ではなく、「国民」の大半を占める、下からの盛り上がりと突き上げの大きさと根深さ。

第2は、スペイン語とは似ているが違うカタルーニャ語を話す人たちであり、1992年のバルセロナ・オリンピックでは、この2つの言語が公用語となったほどだ。

第3は、スペイン全体の平均より2~3割も所得が高く、「スウェーデン並みの税金を払っているのにポルトガル・レベルの見返りしかない」という不満の大きさだ。

ただ、4番目の違いが問題を難しくしている。11月9日に行われる住民投票はスペインの中央政府が公認していないものだということだ。

しかし、この結果、独立に大きな支持が集まれば、事態は「政治として」動くに違いないと私は見る。欧州の新しい国家関係を刺激しかねない重要な問題になりそうだ。

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