五円玉を改鋳せよ – 世界で日本だけの穂と歯車

※以下は、2008年1月23日に私が書いたブログを補筆したものです。

書斎を片付けていたら、意外なところから、コインが出てきたりして、それがラーメン10杯分以上になりました。認定NPO法人難民を助ける会に寄付しました。日ごろ、コインをじっくり見るということはあまりありませんが、五円硬貨(五円玉)をしげしげと見てしまいました。

このデザイン1959(昭和34)年にできたものです。表面の稲穂は農業を表し下部の水のデザインは水産業、穴のまわりのギザギザは歯車で工業を表しているのです。裏には林業を表す木の芽が2つ描かれています。この五円玉、実は重さが3.75gなんです。これすなわち1匁であり、かつての1文銭の重さと同じというのが、にくいですね。

2008年、私は尊敬する古川清氏から、ワニのベルトとお財布をいただきました。減量のお祝いでベルトというのはしゃれてますよね。お礼の電話をすると、「財布に五円玉を入れるの忘れちゃった」と言うのです。

もったいなくてしばらく使えず、とりあえずは自分で五円玉を入れて飾ってあります。「五円」が「ご縁」に通じる縁起のいい硬貨としてお賽銭としてもよく好まれるときいたことがあります。

ところで、この通貨、漢数字ばかりで、アラビア数字がないですね。そんな硬貨はほかにありませんよね。非漢字圏の外国人観光客の間などでは、混乱するんじゃないでしょうか。また、欧米には穴開き硬貨が少ないので、昔はよくお土産に持って行ったりしたものです。

それにしても、稲穂と歯車…は、私はアンゴラの国旗、ミャンマー(ビルマ)の旧国旗、ハンガリーの旧国旗、ブルガリアの旧国旗などを連想します。昔の東ドイツの国旗には麦の穂(農民)、ハンマー(労働者)、コンパス(知識人)を表す同様のデザインからなる紋章が付いていた時期があります。そして中国の国章です。


ミャンマーの国旗。ビルマといっていた時代にはこのマークの部分に、大きな白い星1つと少数民族を表す小さな星が5つ付いたものだった。

共産党独裁時代のハンガリー国旗

1975年、独立当初のモザンビークの国旗

中国の国章

1959年に始まった「五円硬貨」、ソ連が初の人工衛星を上げ、ガガーリンやテレシコワが宇宙飛行して、社会主義が礼賛された時期だっただけに、日本もその影響を受けたんでしょうね。

「五円硬貨」を見ながら、このデザインはそろそろ変えるべきではないのかと、社会主義者でもなく、中国に媚を売る政治家を軽蔑する筆者は思うのですが、いかがでしょう。

  • URLをコピーしました!
目次