純潔・正義・平和を表わす白と、情熱・犠牲を表わす赤は、1090年、イスラム教徒の支配下にあったマルタを解放したロジャー伯の旗に由来するとも、翌1091年にイタリア半島南部のシチリアの王ルッジェーロ1世(初代シチリア王の父)から赤と白の二色を授かったとも言われている。
マルタはエジプト遠征の途次ナポレオン・ボナパルトによって占領されるが、ウィーン会議でイギリスの支配下となった地中海の戦略的要衝。第二次世界大戦時にはイギリスからエジプトへの中継地点にあり、また、英海軍の拠点として重視された。このためムッソリー二のイタリアなどによる空襲にさらされたが、終始、耐え忍んだ。英国のジョージ6世はこれを多とし「マルタの国と国民全て」に対し、「聖ジョージ十字勲章」(ガーター勲章)を授与した。
聖ジョージはイングランドの守護聖人。国旗の左上にある勲章には、ベイルートの近くの岩屋で、聖ジョージが悪さをする龍を退治した様子が描かれている。第3回十字軍遠征の際、リチャード1世(獅子心王)が、その岩屋の付近で大勝したことで知られる。
紋章の中の「FOR GALLANTRY」は「勇気を讃えて」の意。
しかし、逆に戦後は英国統治への抵抗運動が起こり、東京オリンピック(1964)の直前(9月21日)に独立した。さらに1974年12月13日には、英国女王を国家元首とするそれまでの政治体制から、英連邦内の独立した共和国となった。2004年、EUへの加盟を果たした。