「四字熟語と国旗」の連想として先に10の例を挙げました。いかがでしたでしょうか?
「一気呵成」に次々と書きたいのですが、先日は、特別編として「美人薄命」、ユーゴスラビアという美人が薄命で7つの国に分かれたことも紹介しました。
そして前回、「元旦の旦という文字さながらに 小笠原の海に初日昇りぬ」という朝日歌壇の入選歌に合わせて、キリバスとアンチグアバーブーダの日の出を描いた国旗を紹介しました。キリバスは21世紀を最初に迎えようと、東に長く日付変更線を改定することまでしたのでした。「旭日昇天」「一陽来復」というところでしょうか。
さて、四字熟語の続きまたまた<特別編>です。
「本末転倒」 イギリスとフィリピン。逆掲揚での失敗がかずかずある例のトップ2。
世界で一番逆さまに掲揚される旗
上下逆にした英国旗
この英国旗、上下が逆です。
イーストウッド監督による「インビクトゥス」(2009)、南アの人種差別撤廃を唱導し、20余年もの獄中生活の挙句マンデラ氏が大統領になってゆく過程を描いたこの映画、本当に感動ものでした。
タディは思いっきり泣きました。
ところがそれはそうとして、この映画、実は大変なミスをしていました。出てきた英国旗がほとんど全部、逆さまなんです。あのままではきっとイギリスでは上映できなかったではないでしょうか。
英国旗、左に旗竿があると想定。
「監督さんか、または、制作のモーガン・フリーマンさんの責任なのかな」と考えていました。その間違いは、最初のラグビー試合、南アとイングランドの試合のとき、スタジアムには新旧の南アの国旗とともに、イングランド・チームを応援する人たちの英国旗(ユニオン・ジャック)がたくさん振られていたのです。それがなんと、ほとんど全部、逆さまだったのです。英国人、オーストラリア人、ニュージーランドの人、フィジーの人たちのように、国旗に「ユニオン・ジャック」が登場する国の人なら、即刻気付くはずです。
英国旗は確かにわかりにくいデザインです。2つをよく見比べてください。
国旗野逆掲揚、「NHKよ、お前もか」ではなく、NHKが特に多いです。「そのとき歴史が動いた」では事前に私に「勘弁してもらえないか」と電話があり、「私はそういう立場にはありません。万難を排して映像を修正すべきです」と申し上げたのに、一週間後の放映では、英国旗(「ユニオンジャック」)が逆になっていました。こんな不誠実、不誠意な対応はないと、私は日本経済新聞に通報し、記事にしてもらったところ、2週間後に、松平定知キャスターが番組内で両手をついて「お詫び」していました。担当者から私には何の連絡もありませんでした。
もっとも、私が出演した「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、全部収録が終わり、堺正章や高橋英樹といったタレントさんたちと挨拶して別れ、振り返ったところで、演壇の後ろのインド国旗が逆でした。もう間に合いません。
その結果、後日、私がその国旗と一緒に映っている場面を全部、再収録。「オオーッ、コワ」と言うのはこういう場合です。
また、英国のエリザベス女王が来日されたとき、国会を訪問されました。その直前まで、英国旗が正門に逆さまに掲げられていたのです。たまたま、その直前に私が通りがかり、「日の丸」と両方を一度、降ろし、両方を逆にして掲揚しなおして事なきを得ました。
フィリピンの国旗は戦時になると勇気を表わす赤が上に来るように掲揚します。詳しくは、次回にでも。