先週、人類初の月面着陸に達成した米宇宙船アポロ11号のニール・アームストロング船長が亡くなったという報道があった。享年82。
月面に「星条旗」を立てるアームストロング船長(左)とオルドリン宇宙飛行士
アームストロング氏は1969年7月20日、オルドリン宇宙飛行士と月着陸船に乗り移って月面に着陸。月面を歩く姿が世界中に放映され、アームストロング氏は「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍」との名言で有名になった。
月面着陸に成功した日、私はたまたまイスタンブールを初めて訪れ、米国人ばかりの観光バスに乗っていた。ブルーモスクやまさに何でもあるというマーケットに行ってもアメリカ人旅行客はさっぱり「乗らない」。なんてくらい連中なんだと思っていたら、みなさん、イヤホンで月面着陸の瞬間を今や遅しとばかり待っていたのだ。
その瞬間、バスの中はもう観光はそっちのけ。どこのい持っていたかと思われるように中型の「星条旗」を広げたり、小旗を振って抱き合ったり…。
帰還船が太平洋に着水した際に、ハワイで少年だった米国のオバマ現大統領は、祖父の肩の上で「星条旗」を振っていたそうだ。そして祖父から「なんだってできるんだ」と聞かされ、励みになったという。
生前、同氏は英雄と呼ばれるのが嫌で、そう言われると「自分は単に他の何千人ものエンジニアが造ったものをオルドリンと操縦しただけだ」といい返していたという。
ご遺族は「晴れた日に月を見て美しいなと思ったらニールを思い出してウィンクでもしてください」とこれまたなかなかの名言を吐いたそうだ。