産経新聞2月20日付によると、ス-ルー王国の末裔たちがフィリピン南部ミンダナオ島から、マレーシアのボルネオ島北部サバ州に不法上陸した、旧スールー王国の承認と、マレーシアの領土となっているサバ州の返還などを求めているという。
米国による併合までのスールー王国の国旗
今回上陸した400人の一部が武装しており、治安部隊に包囲されている状況のようだ。「サバ州をめぐり両国は、15世紀に成立したとされるイスラム教国「スールー王国」の歴史に根ざす領有権問題を抱えており、事件は棚上げ状態の争いに再び光をあてている」とシンガポールから青木特派員が伝えている。
15世紀半ばに、フィリピン南西端のスールー諸島を中心に成立したとされるこのイスラム王国の領土は、確かに現在のサバ州にも及んでいたと思われる。その後、スペインによる占領時代などを経て1897年、フィリピンが米国に併合されると、いっしょに米国の支配下になり、王国時代は終焉した。
目下のところ双方に言い分があるようで、事態は簡単には片付かないようだ。引き続きフォローする必要がありそうだ。