国旗のある風景 – エジプト、終わりの始まりか

世界が今注目しているのは、元CIA職員エドワード・スノーデン容疑者がどうなるかとエジプトの反政府運動。前者については、たった今、日本テレビの報道エブリ(2日16:53からオンエアの予定)でしゃべってきたばかりなのだが、ロシアとアメリカはきっと早急に「大人の解決」を図ると思う。先日、朝日新聞の取材も受けたが、こちらは大きな記事の一部としてだが、いつ掲載されるかわからない。

さて、エジプトだが、6月30日には、政府系のアル・アハラム紙の報道でも、200万人もが、デモに参加したとのこと。これは2011年2月、ムバラク政権を倒して以降、最大規模となった数字である。死者も相次いでいる様子だ。

デモの参加者の多くが国旗を掲げ、モルシ大統領の写真に大きく×印を付けたプラカードを掲げている。軍は自制しつつも、48時間以内の収拾を大統領に迫っているし、既に5人の閣僚がデモ側に賛同して辞任した。(7月2日1500に執筆)

きく見えるからかもしれない。


エジプトの国旗

写真はロイターより。

現在のエジプトの国旗は1984年、ムバラク大統領が紋章部分を「サラディンのワシ」に変えたものであり、今回の騒乱がモルシ大統領の退陣という形で終わったなら、もしかして変更される可能性がある。

「サラディンのワシ」は20世紀の汎アラブ主義のシンボルであるが、実は、古学者や歴史学者の議論の的となっている。すなわち、このシンボルはもともとサラディンが建設したカイロの城塞の西壁にあったもの。一般にはこれがサラディン個人の家紋のようにみなされてきたが、サラディンがこれを自分のシンボルにしていたという証拠はこれ以外ほとんどないそうだ。このため、サラディンとこのワシ結び付けうる確証はないとされる。

ワシが文字通り鷲づかみにしている表示板にはアラビア語で「エジプト・アラブ共和国」と正式な国名を書いてある(右から左に読む)。

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