東京が2020年の五輪開催地に選ばれたことは、1964年の五輪に最年少職員としてであれ関わった私としては個人的にもとてもうれしいし、また、何かと沈滞傾向にある日本全体としてもさまざまな付帯効果が期待され、大いに慶賀すべきことであると思う。
半面、今回落選したトルコのイスタンブールには、いささかすまないと思うくらいの気持ちもある。安倍首相なり、竹田招致委員長なりが、すぐにでも、トルコ側に挨拶に行くべきだ、と私も家族には語っていた。
そんな気持ちのところに、【ブエノスアイレス時事】が次のように報じているのが目に留まった。現場の状況をほとんどNHKテレビでしか知らなかった私の理解不足を恥じたい。
5回連続落選ではあったが、トルコの健闘をたたえたい。マドリッドには同情するほかない。
安倍首相には①安定した経済運営、②安全な社会の維持、③東日本大震災の罹災者支援、④福島原発封じ込めによる安心の発信…を切望する。今やこれらは世界への公約なのだから。
2020年の五輪を目指して、All Japan体制をしっかり維持し、準備に万全を期さなくてはいけない。前回の私の経験は所詮、一部のものではあるが、東京五輪で裏方で役割の一端を担ったものとして必要な情報はすべて伝えたいし、この機会が日本の国際化、国際理解と協力の大きな一歩になってくれればと願うばかりである。前回の東京五輪がそうであったように。
時事通信の記事はさらに次のように続いている。
7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会で東京が2020年夏季五輪の開催地に選ばれた直後、決選投票で敗れたトルコのエルドアン首相が安倍晋三首相に駆け寄り、抱擁で祝意を示す一幕があった。安倍首相がフジテレビの番組で明らかにした。
安倍首相は5月にトルコを訪問した際、「もしイスタンブールが五つの輪を射止めたら、私は誰より先にイスタンブール万歳と言う。東京が射止めたら、誰よりも早く万歳と叫んでいただきたい」と訴えていた。
首相は番組で「エルドアン首相に5月の約束を果たしていただいた」と両国の友情を強調するとともに、「(イスタンブールの)健闘に応えるためにも、20年五輪を何としても成功させたい」と、決意を新たにしていた。