毎日新聞(2013年8月8日、電子版)にこんな記事が出ていた。これまでのところ、米露間の新たな火種にはなってはいない。このバンドのおろかさと、両国政府の賢明さは記憶しておきたい。
【モスクワ大前仁】米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者の一時的な亡命受け入れをめぐり悪化した米露関係で、米国の音楽グループがロシア国旗を侮辱した行為が発覚し、新たな火種となっている。
ロシアメディアによると、露内務省は5日、米国の人気ロックバンド「ブラッドハウンド・ギャング」の一員が7月31日にウクライナの南西部オデッサで公演した際、「ロシア国旗侮辱罪」を犯した疑いがあるとして捜査を始めた。
公演では男性のベース演奏者がロシアの国旗を手に取ると、ブーイングが起きたことから、「プーチン(露大統領)に話すな」と叫び、国旗を下着の中で前後に動かし客席に投げたという。この映像はインターネットなどで流出。バンドは今月2日にロシア南西部クラスノダール地方で音楽祭に出演する予定だったが、メジンスキー露文化相が参加を禁じるように命じた。
文化相はツイッターで、バンドを「愚か者」と批判。政権与党「統一ロシア」からは、バンドを招いた背景を調べるように求める声も出ている。
インタファクス通信によると、この演奏者はその後、舞台上で偶然にロシア国旗を見つけたことから、「恒例」として下着の中に入れた後で客席へ投げたと釈明して謝罪。一方で演奏者が7月末にウクライナの首都キエフで公演した際にも、ウクライナ国旗に「尿」に見立てた液体をかけたが、非難の声が上がらなかったとも伝えられている。