ドバイ在住の若き畏友・吉田寛明君からのメール(2008年6月5日付)です。
ドバイで吉田寛明くん撮影
UAE(アラブ首長国連邦、ドバイはその構成首長国の1つ)では2日前にアブダビの王様(=UAE大統領)の弟君がヘリコプター事故で亡くなり、昨日から3日間喪に服しています。
添付の写真にあるように、多くの国旗が半旗になっていますが、1枚だけ高々と上がっているのがあります。もちろん、ご存知のサウジアラビアの国旗です。
吹浦先生の「世界の国旗かるた」にも書いてあるように、そこには聖なるアッラーの言葉が綴られており、いついかなる場合も絶対に下げてはならないのだそうです。
この写真は、ホテル・グランドハイアットの国旗掲揚塔です。
サウジアラビアの国旗には、聖地メッカを守る決意を示す剣の上に、『コラーン』の冒頭の聖句「アラーのほかに神はなくムハンマド(モハメット)はアラーの預言者なり」が描かれてある。聖句は「シャハーダ」(信仰告白)といい、これを真摯に唱えればイスラム教徒とみなされる。アラビア語。
聖句ゆえ、製作する場合でも、この部分は、表裏どちらからでも読めるよう、同じものを2枚染めて縫い合わせて作る。
また、常にこの聖句があるため、垂直掲揚にはしないことになっている(やむをえない場合は90度文字を回転した特製の旗を掲げる)。「半旗に反旗」と言うところか。
吉田くんに感謝するとともに、もし機会があったら、サウジでのこんな様子を見たいもの、とは不謹慎な願いか。
このように表と裏を別々に作らなければならない国旗は、他にブラジル国旗とパラグアイ国旗の紋章の部分など、ごく少ない。
2008年5月12日の四川大地震での犠牲者を追悼して、香港の中環に掲げられた各国の半旗。
サウジアラビアの国旗だけは竿頭まで通常通り掲揚されていることに注目。2008年5月20日に撮影されたもの。ウィキペディアより転載。