ドイツと日本 – 同じ敗戦国で、対米最有力同盟国なのに

敬してやまないベテラン国際派ジャーナリストPさんからのメールです。本来はもっと長いものですが、要点の一部を転載させていただきます。Pさんは今月、ずっとヨーロッパを歴訪しておられました。


ドイツの国旗

今回、いまさらながらに日本の政治状況と方向、
それを報じる日本のマスコミの姿勢が
欧米と相違しているのを感じました。

特にドイツの政治とマスコミとの落差をつくづく感じ、
考えることの多い旅行でした。

ベルリンには
24日からオバマの特使である二人の連邦議会議員が来ていて
ヴェスタヴェレ外相と記者会見に応じていたのが印象的でした。

というのは
ヴェスタヴェレ外相が、二人の前で
「欧米関係は今や最悪。ヨーロッパには疑念が満ちている。
将来のよりよい関係構築には透明性、
そして信頼関係をきちんと築くことが必要」と明確に述べ
二人が神妙に聞き入っていたからです。

第二公共放送ZDFはこの会見を報じた後、
一言
「アメリカはまだ明快な謝罪をせず、疑念は一行に晴れていない」
と断じていました。

ご存じのようにドイツは
第二次大戦で壊滅的に敗戦し、東方領土6分の1を失い、
国土は東西に分断しました。

アメリカによってナチスの弾圧から解放され
アメリカによって西独が安全と繁栄の基盤を提供され
アメリカの支持で再統一を実現しました。

そして
今、ヨーロッパでアメリカ最大の同盟国として
常に隠すことなく 協力、論争をし、
政策が一致しても相反しても、
両国関係は揺るぎなく続いていました。

しかし、
そのアメリカの功績、恩恵は事実としても
親しき仲にも礼儀あり。

ドイツ側は
陰で盗聴・傍受をしていた事実を
相互の信頼関係の基盤を決定的に揺るがすものである、と
重大視しています。

日本人(現政権)にはこのことが判らないようで
盗聴・傍受されていても
何ら問題視しないのですから
馬鹿にされるのも当然です。

同盟関係、といっても質が違うのを見せられてきました。

機密保護法が成立しても、防諜をしっかりやらなくては、その法律の効果は不十分でしょう。

また、情報の入手にヒトとカネをかけ、入手した情報に基づき、最良の判断をしなくてはいけません。

それだけ政治家の質が求められるわけです。世界で、国民が政治家を尊敬している程度が最も低い国の1つがもしかしたら日本かもしれません。

それでいながら国会議員どころか地方議員に至るまで、
役人や有権者が「先生!」「先生!!」とあたかも深く尊敬しているかの如く呼ぶのも日本だけかもしれません。

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