2020 TOKYOへの期待と夢① 聖火リレー


オリンピックシンボル

ギリシャの国旗

東京・長野の2つのオリンピックに組織委員会の一員として直接関わった者として、2020 TOKYOへの期待と夢をすこしずつ、綴ってみたい。

<提案Ⅰ>

オリンピアで採火された火を、中東、中央アジア、ロシア、アジア諸国経由、3コースで陸送すべし。そのうちの少なくとも1コースは全コース地上を走破すべし。


アジア・ハイウェイのルート

<解説>

1936年のベルリン・オリンピックで始まった聖火リレー、いうまでもなくギリシャのオリンピア(古代オリンピックの中心都市)で太陽光から採火されたものを開催地まで届けることをいう。

ギリシャから見て、わが国は距離的に最も遠隔地に位置するオリンピック開催地である。そこを、走破することは、1940(昭和15)年の東京オリンピック、1964(昭和39)年のオリンピック関係者の夢であった。前者は日中戦争のさなかであり、中国大陸を走破することは不可能であったし、実際、このオリンピックは返上されてロマンは構想に至るまでもなく潰えた。

1964年のオリンピックに際しては、組織委、朝日新聞社、日産自動車の3社が組んで、2台の車両でニューデリーまで走り、実地調査したが、調査団(団長=麻生武治朝日新聞幹部)内部の対立もあって、インドで空中分解。2台の車両は足立(日産)、森西(組織委)によってシンガポールまで運転して、終了した。

2020年の場合は、インフラが半世紀前とはまるで違う。アジア・ハイウェーその他で、釜山、上海、マニラ、台北など日本の近隣都市まで走破することは、不可能ではない。

みなさんも世界地図を眺めながら、ご家族と一緒に3コースの都市を拾い上げてみてはいかがですか?

複雑な中東・アジア情勢の中、各国の国境で聖火が受け継がれるならば、日本ができるこれに増した平和貢献はないのではあるまいか。

ギリシャの国旗の9本の縞はギリシャ独立戦争時(1821~29)に叫ばれた「自由か死か(Ελευθερία ή Θάνατος)」がギリシャ語で9音節を表すことに由来する。

当初は、青地に白十字ではなく、パトラの府主教ゲルマノスが白地に青十字を掲げたのが(絵参照)ギリシャ十字と言われた。

1964年の東京オリンピック当時は、開会式の入場行進では白地に青十字のみの国旗が、ヨット競技では今の9本の縞の入ったデザインの旗が用いられた。

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