日の丸につきましては、赤という色についてどう規定するかという問題もございます。
微妙に異なる「日の丸」の紅色
諸外国には、何と光の周波数で色彩を規定しているものもございます。また、マンセル値とかブリティッシュカラースタンダード、インクの番号とかけ合わせ率、色の三要素を数表などで決めている例もございます。ただ、私は、日の丸の場合は、法律では文字によるだけの規定で十分かと考えます。ただし、将来、政令やその他でもって色の三要素を数値で定めるとか、日本工業規格、さらに国際的なスタンダードなどで表示し、これが参考とすべき標準値であるという程度に決定しておくことはあっていいのではないかと思います。
今回の法案では、日章は紅色と表現されておりますが、白地に赤くという表現ではいけないのかなど、細かく言えば全く検討事項なしとは言えません。しかし、要はこうしたいわば付随的な事項は、今申し上げましたように現代科学を基礎とし、専門家を含む衆知を集めて別に検討すれば済むことでございます。
紅色という規定は、標準とすべき色を文字表記するといういかにも日本らしいあいまいさで規定したものであり、他方、日の丸が日本の国旗であるということを世界の人々と日本国民が既に十分過ぎるほど認識し、あらゆる公式行事などで確認されている日章の色をより明確にすることが重要だと私は考えます。