2014年6月2日、スペインのラホイ首相が国王フアン・カルロス1世(76)の退位を発表した。後継は、2020年のオリンピックをマドリードでとI総会でもOC呼びかけたフェリペ皇太子(46)。同皇太子は198センチの長身、ヨット競技で1992年のバルセロナ・オリンピックに選手として出場したこともある。国民的支持もかなりのものがある。
退位を発表する国王カルロス1世(NHKテレビから)
フランシス・フランコ独裁機関のうち、1945~77年に用いられた国旗。
1964年の東京オリンピックにはこの旗で参加した。
1931~39年のスペイン第2共和政時代の国旗
カルロス国王の退位を喜ぶデモ隊には第2共和政時代の国旗を掲げるグループもある。
スペイン公共放送から(NHK/BSニュースより)
カルロス国王は1975年の王政復古で即位した。独裁者フランコ総統が後継者として育て上げ、将軍の遺言で王位についた。しかし、が即位後は、フランコの体制を受け継がず、大きく民主化に舵を切った。カルロス国王はいうならば、スペインの民主化のシンボルのような存在である。
ただ、最近では王室批判が公然と行われるようになってきた。自身がボツアナに象狩りに出かけたり、次女のクリスティーナ王女が、脱税とマネーロンダリングで裁判所に召喚されるといったことから厳しい批判も浴びた。
他方、フェリペ皇太子の人気はなかなかである。そこで、超法規的に存命中の退位となったと見られている。
ただ、国内には、バスクやカタルーニャの分離独立や振るわない経済への不満があり、目を離せない。
王政の是非を問う国民投票を求める主張も
カタルーニャ(中心都市はバルセロナ)の独立もこの機会にと主張するグループも