6月25日の午後、山手線の電車内で。
権兵衛「今朝は残念だったよなぁ」
田吾作「権兵衛、おまえ5時前から起きて見てたのか」
権兵衛「そりゃそうだ4年に1回の大勝負!」
田吾作「おまえ、いつからそんなに自虐的になったんだい?」
権兵衛「なんだ、その自虐的つうの?」
田吾作「負けるの分かってただろう? それでも早起きして惨敗を見て気分はいいのかい?」
権兵衛「いやぁ、メディアだって、みんな奇跡を信じようって書いてたぞ」
田吾作「商業新聞だよ、特にスポース紙は。興奮して新聞が売れりゃいいんだよ」
権兵衛「いやいや、少なくとも最初の10分間、日本は押してたと思うな」
田吾作「まだ懲りてない。そんなにコテンパンに日本が負けるシーンを見たいのかね」
権兵衛「だって同じような条件下にあったギリシャは決勝進出じゃん」
田吾作「ランクが一桁の国と40何番かの国がやって…」
権兵衛「小学生が大学生に勝てるかっていいたいんだろ?」
田吾作「分かってるじゃん。それで早起きでいまも興奮して」
権兵衛「うん、確かに眠い。しかし田吾作、4年に1回なんだ」
田吾作「それがどうした? 4年に1回コテンパンになりゃいいじゃん」
権兵衛「日本だって、決勝リーグに行くこともあるよね」
田吾作「8年に1回くらいね」
権兵衛「イングランドだってスペインだって一次リーグで終わりだよ」
田吾作「だからって、日本がその2つと対等だって?」
権兵衛「おれはまだまだ応援するぞ」
田吾作「ま、日本のサッカーブームもこれまでだね。レベルの違いが大きすぎる」
二人は、乗り換えて晴海に向かうらしい。社内のみんな耳をそばだてていたように見えた。もしかして今朝は早起きした「私も権兵衛同様の自虐趣味なのかな?」と考えてしまった。
テレビの映像で見る限り、コロンビアのサポーターはすごいパワーだったようだ。また選手の手首の国旗カラーも印象的だった。