「国旗おぼえうた」というCDを友人がお送りくださいました。
引地達也さんという方の作詞で、矢野デイビッドという人が歌っているものです。引地さんは毎日新聞や共同通信で働いた方で、数年前、国旗普及協会をつくろうと一緒に仕事をした方です。
しかし、このCDとその説明書きは一目見て、あまりに唖然としました。おそらく引地さんがやったのではないと思います。あの方はそんな良識のない人ではないからです。ソウルの特派員までした人が韓国の国旗を逆さまにしたり、ドイツに留学した人がドイツの国旗の色の順を間違うわけがないからです。
すると、酷いのはNPO法人共育塾か、株式会社ロラパルーザ。いずれにもせよ、酷いものは酷いのです。責任の回避や傷のなめ合いはよしにしましょう。
以下、問題点ないし間違いを箇条書きします。
- 歌詞に「われら太陽3兄弟 白地に赤い日の丸日本 海の青地に黄色でパラオ 緑に赤丸バングラデシュ」とあります。パラオの黄色い円は満月です。
- 同じく歌詞に「50の星と13の赤線 それがアメリカUSA」とあります。「星条旗」の赤い線は7本です。白い線が6本。合わせて13本です。
- 「赤字に大きい星と4つの星は中国」、ま、変換ミスでしょうが、「赤字」は我が家の家計のこと。「赤地」でしょうね。
- 「赤、黄、黒を横に並べてドイツなら」は「黒赤金(黄)」でしょう。上から言うのが普通でしょうから。
- 続いて「縦にしちゃうとベルギーに」とありますが、④のとおり、色の順番が可笑しいのです。
- さらに続けて「黒を青に変えてルーマニア」とありますが、CDに付いている国旗の図(絵)では、左から赤黄青の縦三色旗というどこにもない“国旗”が登場しています。
- フランス三色旗の青を緑に変えるとイタリアの国旗で、それを「横にするとハンガリー」との歌詞ですが、ハンガリーの国旗は飢えから赤白緑の横三色旗。ご丁寧にその後に、「くるっと逆さまブルガリア」と続いています。ブルガリアは白緑赤の横三色旗ですから、ロシアの国旗の青を緑換えればブルガリアというのならまだ解りますが、この歌詞では誤解を与えるだけです。
- 「夜空の星はオーストラリア 南十字星はニュージーランド」というところも妙な歌詞ですね。両国旗とも南十字星なんですから。ま、NZの国旗は近くシルバーファーンに変わるでしょうが。
- CDについている表紙の韓国旗。これでまたまた日韓関係が悪くならなきゃいいのですが、完全に逆さまです。
- 「日の丸」も酷いです。円の直径は縦の5分の3なのに5分の2もないような貧弱な「日の丸」が描かれています。
- パラオ国旗の黄色い満月は旗竿側に横の10分の1寄ることになっていますが、絵は逆方向に10分の1ほどずれています。
要するにこの「国旗おぼえうた」は無責任な人が製作した出鱈目なCDと説明書きです。「株式会社ロラパルーザ」とかいうところが製作に大きく関わったようですが、即刻、回収し、世間にお詫びすべきです。他に名前を並べている人たちも応分の責任を感じてください。
翻って、われらの「世界国旗の歌」(根本喜未作詞、崔 和傳作曲。多少私も作詞に協力しました)のすばらしいこと。小欄の表紙から是非、「世界国旗の歌」をお楽しみ下さい。
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