去る4月15日、パリで2つの大きな政治集会が開かれました。
コンコルド広場ではサルコジ現大統領支持派が、東部郊外のバンセンヌの森では対抗馬のオランド氏の集会が開催されたのです。
サルコジ大統領(上)オランド候補(下)。
右にマダガスカルの国旗、左下にアフリカのどこかの国旗がトリコロールと重なって映っています。産経新聞より。
投票日は22日ですが、世論調査では両氏とも過半数には達せず、決選投票に持ち込まれそうという状況のようです。世論調査でも、サルコジ氏28%、オランド氏27%というのでは、3位の右派候補ルペン氏の16%、左派戦線のメランション氏支持の14%であり、移民政策、原発の削減、治安対策、教員の増員、失業対策などを主な論点として、予断を許さない厳しい選挙戦が続いています。
ところで、15日のコンコルド広場、フランス三色旗(トリコロール)で埋め尽くされていました。一方のバンセンヌの森ではトリコロールもありましたが、かつてのフランス植民地だった国の国旗がたくさん見えました。
わが国の民主党のように、「日の丸」を2枚買ってきて継ぎ足すような候補者は論外として、かくも国旗が生活や政治運動にたくみに取り入れられているという、そのフランスの「政治美学」のようなものに感心させられました。
これはまた何もフランスに限ったことではなく、欧米ではしばしば見られる現象です。
みなさん、「日の丸」を右翼だけの旗にするのは止めましょう。国際常識にも反することです。「日の丸」は世界に誇るべき、日本全体の象徴なのですから。