国旗はファッション – 「無用なナショナリズム」は古い

ロンドン五輪まで100日を切りました。

東京五輪の直前の夏を思い出します。10月10日が開会式と決まっているのですが、今の代々木の国立室内競技場はまだまだ建設途上で、組織委の建設部と各地に立つ国旗の掲揚塔の打ち合わせのたびに、「これでほんとに間に合うの?」と、いかにも素人らしく素直に訊いていたものでした。ロンドン大会の成功を祈念しています。

2年前、2010年2月にはカナダのバンクーバーで冬季オンピック大会が開催されました。

この大会で、男子フィギュアで日本初のメダリスト(銅メダル)となった高橋大輔選手は、記者のインタビューに応えて、「国歌は鳴らなかったが日の丸が揚がって気持ちが高ぶりました」「誇りを持って掲げる日の丸は美しい」と応えていました。4回転ジャンプに挑戦したこと、失敗して転倒した直後に立て直したこと、この人は精神的に凄いものがあります。感動しました。この2つのセリフは記憶しておきたいものです。

織田選手の靴の紐が切れるというアクシデントは気の毒でした。でも、人生って、こうやって磨かれてゆくものですよね。ほんとに信長の子孫なのでしょうかと冗談をいう人がいましたが、この人、少々涙もろいのが?ですね。

閑話休題(それはさておき話を戻すと)。バンクーバー五輪では、選手も「日の丸」の旗を被ったり、手にとって振ったり、観衆も頬やおでこに「日の丸」をペインティングするなどして応援していました。

次いで6月、今度は南アフリカでのサッカーW杯。友人の息子は1泊4日という強行軍で応援に出かけました。

おでこや頬に「日の丸」を張ったり描いたり、出発前から鏡とにらめっこして、奮闘していたそうです。彼の仲間には頭髪を長方形に剃って、ドーランで「日の丸」を描いた人や、顔全体を「日の丸」にした女性もいるそうです。今や「日の丸」がファッションになったという感がします。

「日の丸」だけではありません。私は早朝深夜に関わらずW杯の主な試合をテレビ観戦をしましたが、世界中からのサポーターがそれぞれの国旗をもとにした化粧と服装のコンペをしているような観客席でした。

そして、7月17日、ドイツのフランクフルト(アムマイン)でのサッカー女子W杯決勝。澤穂希主将以下のなでしこジャパンが、最強の米国チームに追いついて2―2、緊張のPK合戦は3―1。ちょうど東日本大震災の救援活動で岩手県遠野にいましたが、これまた日本からのサポーターはあらゆる方法で「日の丸」を示していました。

これでいいのです。健全なナショナリズムはその国と国民のエネルギーとなり、国際的な連帯の源になるのですから。もちろん、偏狭なナショナリズムが国を危うくすることは世界の歴史が示しています。しかし、本来、ナショナリズムは度量の広いもの、相手の立場にも立って物事を斟酌できるものではないでしょうか。

ロンドン五輪、どんな形で国旗が出てくるのでしょうか。今から楽しみです。

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