白い象と仏教についての話


タイの国旗

ラオスの国旗

タイの国旗は20世紀の初めまで、白い象でした。1916年、時の王が洪水の被災地を視察したときに、国旗が逆さまに上がっていたのを見て、逆になっても変らないデザインにてして、今の図柄に変更されたといわれています。ラオスの国旗はベトナム戦争の終焉に伴うラオスの王政崩壊(1975年)までは3頭の白い象でした。


ボストン美術館所蔵の普賢延命菩薩像
(平安時代12世紀の中頃)

先日、タイとラオスの国旗のことを書き、白像について触れたところ、上座仏教(小乗仏教)に詳しい千葉在住のT元中学校長から以下のメールでご教示をいただきました。

大変興味深く拝読しました。ホームページにうまくコメントが入れられないので、こちらにて失礼いたします。

仏陀の母マーヤーは、6本の牙をもつ白いゾウが胎内に入り込む夢を見て懐妊したと云われています。

またインドではゾウは獅子とともに、最も優れた動物とされています。

普賢菩薩は女性が成仏して男性になったと云われているので、先の話と合わせるとその暗示の意味もありそうですし、最も優れた動物に乗ることで、普賢菩薩の偉大さを現していると解釈する説もあります。

因みに白いゾウの六つの牙は、布施、持戒、忍辱、精神、禅定、智恵の行いを示すようです。

タイとラオスの国旗については、先日更新した「普賢菩薩像と白象」をご参照ください。

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