リベリア②

【ロンドン=木村正人】ノルウェーのノーベル賞委員会は7日、2011年のノーベル平和賞を、平和と女性の地位向上に貢献したとして、アフリカ初の女性大統領となったリベリアのエレン・サーリーフ大統領(72)らアフリカと中東の女性3人に授与すると発表した。女性への授賞はケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさん(9月25日死去)の04年以来7年ぶり。アフリカからの選出もマータイさん以来。
他の2人はリベリアの平和活動家リーマ・ボウイーさん(39)とイエメンの人権活動家タワックル・カルマンさん(32)。
授賞理由について同委員会のヤーグラン委員長は、「3人への授賞が、多くの国で今なお続く女性への抑圧に終わりをもたらすことと、民主化や平和において女性が果たす大きな潜在性について理解が進むことを望んでいる」と述べた。
サーリーフ氏は米ハーバード大で経済学を学び、国連開発計画(UNDP)アフリカ局長などを務めた。国際刑事裁判所(ICC)で公判中のテーラー元リベリア大統領が亡命、同国の内戦が終結した後の05年の大統領選でアフリカ初の女性大統領に選出され、国家再建に大きく寄与した。
しかし、同国の残虐行為を調査する「真実和解委員会」が09年、テーラー氏への財政支援を認めたサーリーフ氏らの公職追放を求める報告書を国会に提出。これに対し、サーリーフ氏は続投を表明し、近く予定される大統領選に出馬している。このため、7日の記者会見では「(ノーベル賞授与は)内政干渉ではないか」との疑問も呈された。

[ハーグ 26日 ロイター] 西アフリカのシエラレオネ内戦をめぐり戦争犯罪などの罪に問われた隣国リベリアの元大統領、チャールズ・テーラー被告(64)に対し、オランダ・ハーグのシエラレオネ国際戦犯法廷は26日、有罪判決を言い渡した。国連が設置する国際法廷で国家元首経験者が有罪となったのは初めて。
テーラー被告は、5万人以上が犠牲になったシエラレオネ内戦に絡み、「血のダイヤモンド」と呼ばれるダイヤの原石と引き換えに南アフリカから武器を入手し、シエラレオネの反政府勢力「革命統一戦線(RUF)」を支援したとして拘束された。殺人や性的暴行、少年兵徴集など11の罪で起訴された。
判決は、テーラー被告がこうした犯罪を支援、扇動したとし、武装勢力に武器などの物資を提供したと認めた。

チャールズ・マッカーサー・ガンケイ・テーラー

チャールズ・マッカーサー・ガンケイ・テーラー(Charles MacArthur Ghankay Taylor、1948年1月28日 – )はリベリアの政治家、大統領(1997年8月3日 – 2003年8月11日)。
リベリア内戦を引き起こし結果として権力を掌握したものの、内戦は近隣諸国を巻き込むことになり退陣を余儀なくされた。
1948年モンロビアの高級住宅地アーティトン地区でアメリコ・ライベリアンの父とゴラ族(ギオ族とも)の母との間で生まれる(一説にはアメリコ・ライベリアンの血は入っておらず、現地の先住民とも言われている)。兄弟にボブ・テーラーと兄のネルソン・テーラー(内戦で死亡している)がいる。息子にアメリカで拷問罪の罪で起訴されたチャールズ・“チャッキー”・テイラー・(ジュニア)がいる。

  • 1988年リビアのゲリラ訓練所でシエラレオネのアハメド・フォディ・サンコーと出会う。
  • 1989年12月に反政府武装組織「リベリア国民愛国戦線(NPEL)」を結成し、コートジボワールから国境を越え、リベリア北部から進入し蜂起する。
  • 1991年にはNPELを隣国のシエラレオネに侵入させ、親交のあったサンコーと共にシエラレオネ内戦も起こす。
  • 1997年8月2日に大統領就任(NPELは国民愛国党に改組)するも内戦は収まらず。
  • 2003年2月以降のアメリカ及び国際社会の圧力や反政府勢力の攻勢などを受け、同年8月11日に辞任しナイジェリアへ亡命。
  • 2006年3月、亡命先のナイジェリア当局に拘束。シエラレオネ内戦に関与、虐殺や非道な行為を働いたとして国際戦犯法廷から起訴。
  • 2006年4月、シエラレオネの首都フリータウンでのシエラレオネ特別法廷に出廷して無罪を主張。
  • 2006年6月、フリータウンで審理実施した際の政情不安の予想を理由に、国際刑事裁判所(オランダのハーグ)に法廷が設置され、それに伴いハーグに移送される。
  • 2007年6月、4日の公判で、検察側の9人に対して弁護団が1人しかいないことを理由に審理出席を拒否。
  • 2007年8月、新たな弁護団が就任し、テーラーも20日に出廷。判事団は新たな弁護団を用意する時間を与えるとして公判を2008年1月7日まで延期することを決定した。
  • 2012年4月26日に有罪判決。国際連合が設置する法廷での国家元首経験者に対する有罪判決は史上初。
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