王政時代のエジプト国旗(~1958年)
ムバーラク大統領が1984年に採択した国旗
今のエジプトの国旗は独立以来5回目の国旗です。イラク、シリア、スーダン、イエメン、イランも革命やクーデターの都度といっていいほど頻繁に変わりました。
この写真はモルシー新大統領当選を喜び、6月24日にカイロの中心部タハリール広場に集まった支持者たちの様子です。テレビの報道などを合わせると、集まった人たちはこの写真にあるエジプトの国旗のほか、復活したリビアの国旗(写真右上)や、シリアの反政府運動の人たちが掲げているシリアの旧国旗なども見られます。アラブの連帯を意思表示しているのかと思われます。
ただ、現在のエジプトの国旗は、1984年10月4日に、今回、打倒されたムバーラク大統領の意向で改訂されたものです。ですから、そう遠くないうちに変更になるような気がします。あるいはその時がモルシー大統領と軍との対立の1つのピークになるときかもしれません。
6月25日付の産経新聞はエジプトの今後について、以下のように報道しています。今後を注意深く見ていく必要がありそうです。
エジプトでは、暫定統治を担う軍最高評議会が先ごろ、自由公正党が最大議席を握る人民議会(下院に相当)を解散し立法権を掌握しただけでなく、新憲法制定プロセスをも独占する気配をみせている。旧政権で保証されてきた軍部の特権的地位を守るため、今月末に予定される民政移管を前に、民主化プロセスの「骨抜き」を図っているとみられる。
エジプトでは1952年のクーデターで王政が打倒されて以来、軍部が歴代大統領を輩出しており、非軍出身の大統領はモルシー氏が初めてとなる。モルシー氏としては、軍部に妥協しながら政権運営を進めざるを得ず、民主化の前進を実現できるかは不透明だ。
また、負けたシャフィーク氏の支持者や、モルシー政権誕生に危機感を抱く旧政権関係者らによる抗議行動も予想され、混乱が長期化する恐れもある。