「日の丸」の作り方


東京人形町の岩岡商店(HPから)

戦時中の「日の丸」製造の様子(『Life an War』より)

小欄を通じて、時々、国旗のさまざまな相談をしてくる読者もいらっしゃいます。そんな時のために、2つの旗屋さんとのお付き合いをご紹介しましょう。最近増えているのは、サッカーなど国際試合の応援に行くのにどこで国旗を買えばいいのかというものです。

東京の旗業界有数のリーダーである、岩岡商店社長・岩岡隆さんと先日、久々に昼食をともにしました。ご尊父の克前社長は1964年の東京オリンピック当時、東京旗商工組合の最高幹部として、組織委で国旗を担当していた私はいろいろ教えられたものでした。「93歳ですが親子4代、一緒に原宿に住んで、元気です」が嬉しい。

息子さん(といっても私と同じ歳)に今回教わったのは、「日の丸」の作り方と百貨店での売り場。まずは作り方の話から。

かつては家庭用の「日の丸」は注染(ちゅうせん)といって、20枚くらいの布を重ね、日の丸の部分を輪で締め付け、気圧を低くしておき、上から染料を注ぐという方法で製造していたのですが、今はその方式では、廃液が環境汚染するということで×となり、顔料か染料で捺染するようになったとのことです。つまり、戦前のやり方に戻ったといっていいでしょう。

もっとも、オリンピックで使うような大きな旗の場合は、エクスランの原反をハギを入れて縫い合わせて大きくし、真ん中を切り取って、赤い丸を縫い付けるという方法しかありません。

国立競技場の電光掲示板の上の国旗掲揚塔には、3.0×4.5mの国旗を掲げるように、東京オリンピックのときに決めました。それでバランスはいいのですが、いかんせん、今ではこの縫い付け方式で丸を歪まないように縫製できる人は、私が知る限り、全国であの人、この人と数えるほどしかいません。すぐ丸が歪んでしまうのです。

岩岡商店は常時200カ国以上の国や地域の旗を各サイズ取り揃えています。電話は03-3663-5941です。残念ながら、東京オリンピックのときの国旗製作で組合ともども頑張った日本信号旗(東京)、国際信号旗(大阪)は店を閉じました。

長野オリンピックの時には「出血大サービス」で、全てを請け負った服部株式会社(名古屋)は、わが早稲田の後輩・奥村卓也社長(元商船三井の米国駐在員)は全国展開に加え、国際的な働きぶりで、隆盛を極めている様子。こちらは090-3422-9291(東京営業部斎藤さん)。

そうそう、もうひとつ、私の友人(もちろん美女!)が近々、サポーター用の、全身が国旗に変身するような服(詳細は秘密、近々発表)を製作・発表します。私が監修しました。ロンドン五輪の前には発表できます。ご期待ください。

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