英国旗が逆さま①

8月5日、ロンドンの周回コースで行われた女子マラソン、沿道の柵に掲げられた英国旗「ユニオンジャック」、テレビ中継で見る限り、少なくとも10枚に1枚は逆さまでした。


イギリスの国旗

この写真の、銅メダルに輝いたロシアのタチヤナ・ペトロフ・アルヒポワ選手の後ろの英国旗、明らかに逆さまですよね。

そこで、話は突然48年前に飛ぶのですが、1963年10月、東京五輪の1年前に、プレ五輪が開催されました。この時、国際陸連の確かエドガーさんといったかと思いますが、英国人会長が来日し、お茶の水の日本陸連を訪問したのです。

ところがその時、玄関前の国旗掲揚塔に掲げられた英国旗、何と逆さまだったのです。

同会長はすぐに気づき、自らロープを操り、国旗を正しい形に直したのです。日本陸連のみなさんは何事が起ったのかさっぱり判らず、オロオロするばかり、“The Union Jack is hoisted up side down.”とか言われて真っ青になり、居合わせた東京五輪組織委の幹部は戻って来るなり私に、「キミ、間違えても間違うなよ」と、わけの判らない注意をしてくれたのでした。「もって他山の石に」とはこのことでした。

おかげで?東京五輪の本番では、国旗で1つも誤りを侵しませんでした。

それがまあ、ロンドンのこの沿道の英国旗の様子に、様変わりを感じたのでした。英国人は「ユニオンジャックの上下を絶対間違えない」と、あちらこちらでの講演で話してきた私もがっくり。大英帝国の栄光は今いずこ。

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