ソウルの大通りに竹島の模型

米誌「Newsweek」日本語版(2012年9月5日)は「暴走する韓国 その不可解な思考回路」との大特集をしています。

その中に4年前の写真ですが、ソウルの大通りに設置された竹島(韓国名=独島)の模型に集まって、韓国の国旗「太極旗」を振る幼稚園生と思われる子どもたちと引率の教師が映っています。

このほか、竹島をテーマにした弁論大会や体験イベント、クッキーに「独島 愛してる」と書き込んだり、「独島」が描かれた凧上げ大会の開催など、ものすごい騒ぎです。

かねて、士官学校に入学して1週間目には軍艦で竹島の視察に行くとか、KBS、MSC両テレビ局は毎日の放送終了時には、竹島の画面が現われ国歌が流れるというように、「独島」への過剰としかいえない拘りと執念に満ち溢れています。


IOCの裁定が間もなく出される様子

ロンドン五輪で日本との3位決定戦を制した韓国チームの朴鍾佑(パク・チョンウ)選手が「独島 私が領土」と書いたプラカードを掲げた(同メダル留保)ことは不愉快な記憶として全オリンピック関係者の脳裏に残っています。

その上、韓国サッカー協会の趙重衍(チョウ・ジュンヨン)会長が朴選手の行き過ぎた抗議を「スポーツ精神に反した行為で残念に思う」と日本サッカー協会にメールしていたことが判明すると、国会で「あなたの国籍はどこか?」といった侮辱的な質問を与野党から浴びせられ、辞任に追い込まれた。

実は、私は10月末から11月始めにかけて訪韓し、ソウルではシンポジウムに参加することになっていたのです。しかし、昨今の韓国の「なぜかにわかに盛り上がった」、大統領以下による一連の理解しがたい行動や発言に、8月15日、辞退の申し入れをしました。12月の大統領選挙を前に、韓国世論はいっそう過激に暴走するのではないでしょうか。

親日と反日のアンビバレントな相克の中で、韓国の方々は少し、エネルギーを消耗され、お休みになったほうがいいのではないでしょうか。私の学生時代や若いころにも「安保反対」「日韓基本条約反対」「沖縄返還反対」「成田空港建設反対」などなど、さまざまな「騒ぎ」がありました。今では随分静かになり、大学でもまず立て看板は見かけなくなりました。しかし、それでも「原発即時停止」「アメリカは日本から出てゆけ」などなど、私にはとても賛同できなかったし、できないシュプレヒコールが時たま、聞こえてきます。


支持率低迷の李明博大統領の「独島」訪問をいっせいにトップ記事で取り上げる韓国の全国紙。

やはり、こういう騒ぎは民主主義国家建設への通過儀礼として、または民主主義の欠陥に気付かない政治的ポピュリズムに担がれようという勢力によって扇動されるのでしょうか。日本の民主主義の発達も未完ですが、韓国社会の「独り相撲的偏執」にはあきれるほかありません。

時には、高い識見のある方や、良心的若い人たちから、「韓国の社会状況の未熟さ」を嘆じる声も聴くのですが、ここは、秋の涼しさを待つほかないようです。
(写真はいずも「News week」から。)

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