最近、私の周りで起こった聞き違い。
ミシンとニシン
コンニャクとコニャック
若者とバカ者
あるいはもっと聞き違いをしていたのかもしれないが、わが快適な老いのせいとご寛恕あれ。
ところで、世界の国旗には国名が似ているため、つい、取り違えてしまいそうな例がいくつかある。もちろん、スロバキアとスロベニアを除き、2つの国旗は全然似ていないのが通例である。
ジョン・ボルトン国務次官補(当時)
確か2006年だったと記憶するが、アメリカで「ネオコン」(新保守主義者)の代表的人物の一人とされた国務省最右派で強硬派のジョン・ボルトン国務次官補(後の国連大使)が来日したとき、駐日アメリカ大使館が主催して、講演会が催された。どういう経緯だったか忘れたが、私が司会を依頼された。私はこういう場合には必ずレシーバーをして、通訳のチェック(正確か、“飛ばし”はないか、ニュアンスを伝えているか、発言者が早すぎないか…)をしながら進行する。
このときの通訳は、同大使館の公式通訳官と某有名通訳会社のAさんという屈指の同時通訳者(二人とも日本人)。それが、リビアとリベリアを混同し、これではせっかくのボルトン次官補の話が並み居る視聴者に誤解されてしまうと、発言中に遮り、よく説明して再開した。
よく似た国の名は、ほかにもコンゴ民主共和国とコンゴ共和国、ドミニカ共和国とドミニカ国、アイスランドとアイルランド、アンドラとアンゴラ、ボスニアとボツワナ、モドドバとモルジブ、パラグアイとウルグアイ、ブルネイとベルギー、アルメニアとルーマニア、ウガンダとルワンダ、エリトリとエストニア、ニジェールとナイジェリア、ギニアとギニアビサウ…はてはタイと台湾、フィージーと富士を取り違えた人もいた。
20年ほど前、アメリカでfreeze(止まれ)とplease(どうぞ)を聞き違えて近づいたため射殺された日本からの留学生がいたが、私のような“バカ者”はこの“若者”に心からの哀悼の意を表するとともに、気をつけなくてはいけない注意事項である。折も折、月末、アメリカに向かうのであるから。