国旗のある風景42 – お、おーっと!国旗が逆さまだぁ! – in San Francisco


オランダの国旗

10月7日、サンフランシスコのメインストリート、マーケット通りのあるビルで3階の窓付近からたくさんのポールが突き出された形になっており、そこに各国の国旗が並んで掲揚されていました。

ところが、ご覧のように、オランダの国旗が逆さまになっていたのです。もって「他山の石」として、私も気を付けようと思います。

ここでオランダの国旗について復習しましょう。

16世紀後半、支配者スペインに対し、オラニエ公ウィレム(英語ではオレンジ公ウィリアム)らの指導の下に独立運動を起こしました。その時の軍服はオレンジと白と青の3色で、ウィレムもこの3色の旗を用いたのです。


オランダの国章

それは、この3色がオラニエ家の紋章である「青地に、オレンジ色の房紐で飾られた白い角笛」に由来するものです。

やがて、オレンジでは遠くから目立たないといった理由から赤に変えられていきました。ナポレオンによる支配の間、この旗は一時途絶え、ほとんど出島(長崎)でのみ掲げられたという時期もありましたが、1813年に復活しました。

ウィーン会議(1814~15)の結果、オランダはオラニエ家による王国となり、国民は王家を慕ってオレンジ白青の旗を掲げる人たちもいれば、赤白青の旗を掲げる人たちもいました。

1937年、ウィルヘルミナ女王による勅令が出、国旗は赤白青の横三色旗と確定しましたが、今もって、オラニエ家に対する特別の思慕を持つ人々の間では、赤の代わりにオレンジを用いた旗が使われることがあります。

ちなみに、これは今はないユーゴスラビアの国旗。第二次大戦後、社会主義国家となり、中央に星が付けられた。つまり、それまではオランダの国旗の逆さまにあたるデザインだった。

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