小泉内閣以来、約10年ぶりに閣議の場が報道人に公開された。円形のテーブルを前に、安倍総理が国旗を背にして座り、いつも公開されている閣僚控え室同様の着席順で並んでいる。
墨(すみ)と硯(すずり)が用意されており、決定されたことや、承認されたことには全閣僚が署名し、花押(かおう)を描く。花押というのは、署名だけでは判然としない場合に備えての書き判のようなもの。大臣を拝命してからあわてて自作したり、書家に例示してもらったりする人がいたのを知っている。
ある閣僚経験者は、同一議員から毎回、「質問趣意書」が提出され、閣議中、それにみんなが順番に署名し、花押を描いていて、審議に身がはいらないこともあったと述懐していた。
国家運営の中心である閣議の場、公開もいいが、後悔しないような質の高い議論が望まれる。
歴代内閣総理大臣の花押一覧