2011年に設置された日本の大使館① アセアン代表部

平成25(2013)年度予算案にアイスランドと南スーダンの両国に新たに日本大使館が設置されることになったということを書いたところ、佐賀県在住の方から「新大使館は2年ぶりだそうですが、2年前にはどこに大使館ができたのですか」とのお問合せをいただきました。


アセアンの旗

外務省官房総務課に問い合わせましたところ、アセアン代表部(ジャカルタ)とアフリアのジブチにだそうです。

東南アジア諸国連合(ASEAN、 Association of South‐East Asian Nations)は、東南アジア10ヵ国の経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力機構。インドネシアの首都ジャカルタに本部を置いています。

2009年以降、アメリカ、中国など50ヵ国ほどがASEAN大使を任命し、本部のあるジャカルタに常駐している。日本も、2011年5月26日、日本政府代表部を開設し、ASEAN大使を常駐させています。

ASEAN域内の人口は6億人を超えており、約5億人の欧州連合(EU)より多く、2010年の加盟国の合計のGDPは1兆8000億ドル(約145兆円)であり、日本のGDPの約30%に相当する規模。

1961年に設立された東南アジア連合 (Association of Southeast Asia, ASA) から発展したもの出、ASAはタイ、フィリピン、マラヤ連邦(現マレーシア)の3ヵ国が当初メンバーであった。1967年、タイのバンコクでASAを発展的に解消する形でASEANが設立された。原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5ヵ国で、いずれも反共主義の立場に立つ国々であった。

84年にブルネイが参加、1990年代以降ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーの4ヵ国が順次加盟し、現在の10ヵ国体制が出来上がった。この10か国からなる拡大ASEANを”ASEAN-10″と呼ぶことがある。イデオロギー対立を超えた東南アジア地域統合体としての役割をさらに強く担うことになった。

アセアンの旗は2007年に制定されました。全体で、安定・平和・結束・活力に満ちたSEANを表す。4色は加盟国の主要な色を表す。青は平和、安定を表し、赤は勇気、活力を表し、白は純粋を表し、黄色は繁栄を表す。中央に描かれているのは稲の束。

円はASEANの統一性を表す。この円について「日の丸」の影響とか、「日の丸」を真似た、日本への憧れという人がいますが、私は組みしません。それは「過剰な自己愛」ないし「単なる自惚れ」だと思います。各国はいずれも矜持を持って立派な国づくりをしています。

ところで、論説中心の総合雑誌「選択」2月号は、<「沈む」中国、「昇る」アセアン>を特集しています。<昇るアセアン、インド、沈む中国、日本>でないように、いっそう安倍政権にはより積極的な内外施策の推進を期待したいものです。政権成立早々に、タイ、ベトナム、インドネシアを安倍首相が、ミャンマーを麻生副首相が訪問するなど、順調なスタートなのは結構なことです。それにしても日本の首相のタイ訪問はなんと11年ぶりのことでした。

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