「富士山を世界遺産に」と力説する某くんが、酒の席でとはいえ「日の丸を嫌いだという人がいるなら富士山を描いた国旗にすればよい」。暴君でもこうは言うまいという暴論だ。
現に「日の丸」は安倍政権の驚異的な支持率よりも高い支持率で、支持され、国旗として誇りをもって扱われている。今夜はブラジルとのもWBC初戦、7回までのブラジルの善戦に拍手を送りたい。サッカーほどではないが、スタンドでは結構、「日の丸」が振られていたし、ブラジルの国旗もテレビ画面に映し出されていた。
以前にも書いたと思うが、私は必ずしも富士山の世界遺産への登録に賛成ではない。ユネスコ(国連教育科学文化機関)よりも富士山のほうがはるかに世界的に有名だし、登録させてくれというまでほっといてもいいというくらいの気持ちだ。「ユネスコってほかに何をしているところ?」と聞かれて、みなさん、失礼ながらすぐお答えできますか?
どうも日本人には、フランスのタイヤ屋さんが割烹やレストランに格付けの星を与えてくれると感激したり、麹町会館、竹橋会館、市ヶ谷会館、私学会館などなど、そろいもそろってほとんどの人がわからないような名前にしては喜ぶ傾向がある。この4つ、今はそれぞれをルポワール、KKR、グランドアーク、グランドヒル、アルカディアという。何がいいのだろうか。いずれもしょっちゅう利用させていただいてはいるが、私のような老いたる田舎者にはとても覚えられないし、ついてゆけない。
閑話休題。国旗にはそれぞれの国の名山が結構、登場する。
まずは、先般紹介したボリビアのポトシの山。膨大な犠牲者を出して金銀銅を掘り尽くしたが、人間の強欲の記念としてこのヤマを含む市街地をユネスコは世界遺産にした。ボリビアの国旗の紋章には、2004年7月19日の国会の議決により、19世紀末にチリに敗れて失ったリトラル県を含む10県を表す10個の星がついている。
ほかにも、スロベニア国旗のトリグラウ山、エクアドル国旗のチンボラソ火山、サンマリノ国旗のチタノ山、スロバキア国旗の3つの丘、ニカラグア国旗の5つの山、 コスタリカ国旗の3つの山、そして、セントルシア国旗に描かれている世界遺産ピトン火山。どうもきょうの本稿は世界遺産から離れられないようだ。
順次説明してゆく所存である。ご愛読を!