ビルマ民主化同盟(LDS)の主催する「第22回水かけ祭り ビルマのお正月」が4月7日(日)、東京・日比谷公園で開催される。
在日ビルマ人の方々にとっては日ごろの苦労が吹っ飛ぶような、心待ちのお祭りかと思う。私が理事長を務める社会福祉法人さぽうと21の、在日ビルマ人主体のギタークラブも出演するということで、盛り上がっているようだ。
チラシを送っていただいた。思わず唸った。上の国旗、2代前のビルマの国旗だからだ。
これは、1948年、独立とともに採択されたビルマ連邦の国旗。アウンサンスーチーやビルマ連邦国民連合政府(NCGUB)など軍事政権の正当性を否定する側は、共和制時代のビルマ連邦(Union of Burma)のこの国旗(独立後最初の国旗)を、ミャンマー民主化の象徴として使用している。
1974年1月3日、ビルマ連邦社会主義共和国のネ・ウィン将軍が変更した国旗。同将軍は1962年のクーデタで政権を掌握した。中央は稲穂と歯車。
2010年10月21日に現政権が改定したミャンマー国旗。気分一新を図ったようなデザイン。このあと次々と民主化への道を進み始め、今や世界から投資が殺到し、首都ヤンゴン(ラングーン)のホテルは軒並み満員である。
また、国名についても、最近はかなりブレも目立つが、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア政府などは「ビルマ」とし、EUは両表記を併記している。ASEAN諸国、日本、インド、中国、ドイツ政府などは「ミャンマー」と表記している。
また、ウィキペディアによれば、マスコミも対応が分かれている。タイの英字紙、BBC、「ワシントン・ポスト」、「VOA」、「タイム」、主要な人権団体は「ビルマ」を用い、「ニューヨーク・タイムズ」、「ウォール・ストリート・ジャーナル」、「CNN」、「AP」、「ロイター」は「ミャンマー」を採用している。
さて、今一度、このチラシをご覧いただきたい。2代前の国旗を掲げつつも、ミャンマーの呼称を示し、「ビルマのお正月」としている。このあたりに、在日ミャンマー(ビルマ)人たちの最大公約数がありそうだ。私も出かけてみよう。
<参考>
1943年、日本軍が「与えた」ビルマ国の国旗。2010年に改訂された現在の国旗は、なぜかこれに酷似している。日本の敗戦とともに消滅した旗ではあるが…。