拙宅の近所に、もとい、拙宅は東京・目黒のトキワ松学園に近い。
この学園、初代校長三角錫子(みすみ すずこ)が、個性を尊重する自由で伸びやかな教育を目指し、1916(大正5)年に創設した常磐松女学校が濫觴。健全な女子教育を行う東京の名門校の1つ。近所で見かけてもお行儀のよさには感心させられ、老生は思わず背筋を伸ばし、(もとよりそんなではないが!)怪しげ?な目つきは控えさせられる。
同学園のHPによれば、これが上着につけるエンブレム。下はそれを抜き出した紫の扇。
ところで、こちらはご存知、メルセデス・ベンツのエンブレム。本来ならわが愛車の写真でも載せたいところだが、嘘はつけない。わが愛車はホンダのインスパイア。なさけないというなかれ。なかなか乗り心地はいいし(とタマには強がりを言う)、燃費も悪くない。
ベンツのエンブレム? 手の届かないものには関心も知見も持たないのが、わが処世術にして卓越した人生観。
ところで、これが国旗となると、さて? ベンツにそっくりというのは思い当たらない。しかし、他人のそら似、北欧諸国の国旗と東海大学(幼、小、中、高、大学)の旗はオナジイメージだし、ナチスの「鍵十字旗」(スワシュティカ、ハーケンクロイツ)は何と秋篠宮華子妃の御実家・津軽家と見まごう家紋なのだ。
そこでまずトキワ松学園に電話してみた。親切な中学部の教頭先生が出られた。「○と人ですよ、このエンブレムは。円満な人格、すなわち、頭、心、体の3つがバランスよく整うようにということで、まずは1936(昭和10)年に、文字通り、○の中に人という文字を書いたものでしたが、戦時中、デザインを整えようということで、今のものになったのです」。
納得。メルセデス・ベンツとはどうやら何の関係もないようだ。