Jiji.comは、ベルリン発として、20日、こんな記事を出した。日本は2008年3月18日,コソボを国家として承認し,2009年2月25日付で外交関係を開設している(実務は駐オーストリア大使館が兼轄)が、セルビア、ロシア、中国などの反対で未だ国連への加盟は実現していない。
コソボは13世紀以来、セルビア教会の中心地であったが、14世紀になってセルビアがオスマントルコとの戦争に敗れたのち、イスラム教徒であったアルバニア人が大量に入植して、以後、数百年にわたってセルビア系と複雑でかつ厳しい対立を続けてきている。
コソボとセルビアとの関係が是正され、国際社会がコソボを迎え入れることを期待する。
セルビアのダチッチ首相と同国からの独立を宣言したコソボのサチ首相は19日、ブリュッセルで会談し、関係正常化に取り組むことで基本合意した。これにより、和解が条件とされた双方の欧州連合(EU)加盟に向け、大きく前進した。
EU欧州委員会のバローゾ委員長は「歴史的な合意」と高く評価。協議を仲介してきたアシュトン外交安全保障上級代表(外相)は「双方は過去から離れ、欧州に一歩近づいた」と歓迎した。
コソボは2008年2月、一方的に独立を宣言。セルビアとコソボは関係改善に向け、11年3月から直接協議を重ね、今月初めにいったん物別れに終わった後も協議を続けた。サチ首相は「合意は過去の傷を癒やす一助となる。和解と国家間協力の時代の始まりだ」と語った。
一方、ダチッチ首相は「セルビアの提案は受け入れられた」と指摘。6月のEU首脳会議で加盟交渉開始の承認を取り付けたいセルビアは、今回の合意で加盟問題に弾みをつけたい考えだ。
コソボの国旗は、この国2008年2月17日に独立を宣言したときに制定された。
青地に金色でコソボの国土がシルエットで描かれ、6つの白い星はコソボの6民族、すなわち多数を占めるアルバニア人のほか、セルビア人、トルコ人、ロマ(アッシュカリィおよびエジプト人を含む)、ゴーラ人、ボシュニャク人の調和と団結を表している。
少しややこしいのは、コソボではアルバニア人が圧倒的多数を占めるため、その同族意識から、アルバニア系の国民はアルバニアの国旗を掲揚することが多いことだ。
ロシア国旗の影響を強く受けたセルビアの国旗の由来については稿をあらためたい。この2カ国のEU加盟が実現すればEU加盟国は30か国になるだろう。