安倍訪露は大成功

安倍・プーチン両首脳による共同記者会見はなかなか充実した内容で、この限りにおいては今回のモスクワでの首脳会談はきわめて高く評価していいと考える。順不同で5点を挙げたい。


写真はいずれもNHKテレビの中継画像より。

評価する第1は、これまでの両国で交わした諸文書をすべて尊重すると確認したことである。1956年の日ソ共同宣言も93年の「東京宣言」もその中に含まれるのは当然である。

第2は両国首脳が平和条約交渉に直接大きくかかわることを確認し、両国外務省に共同して交渉の加速化を命ずることを約束し合ったことだ。これにともない、

第3は両国の外相が少なくとも年に1回は相手国を訪問して会談を行うことになった。

第4は、当然のことながら、安倍首相の側から北方領土の返還さるべき範囲について「ロシア側のいう2島と日本側の主張する4島」との中間案などという無責任な数を発言しなかったことだ。

第5は、プーチン大統領が日露関係とロシアにおける日本の協力の内容についてしっかりと把握し、それをこの会見を通じ、ロシア国民に具体的に説明したことだ。これを聴いたロシア国民に、日本は中国や韓国とはまるで違う、ロシアにとって「価値ある隣国」であり、戦後、平和条約が67、8年間も結ばれていないのは異常であるということを周知させたことだ。

両首脳の会見場には日露両国の国旗が3流交互に並べられていた。最近はこの方式による二人の首脳の共同記者会見というのが、どうやら世界的な流行?という感じがする。国旗を背負う安倍、プーチンのお二人がさらに個人的信頼関係を深め、北方4島の帰属の問題を解決してくれることを、両国のために期待したい。

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