安倍晋三首相は4月28日から、ロシア、中東3カ国を歴訪し、首脳会談などに当たってきました。
モスクワやアンカラでの記者会見の席上、演壇の前に総理専用の青いマークが付いていましたが、これは「五七の桐」というしるしです。
詳しくは、首相官邸のHPを引用しましたので、ご参照ください。会見の写真はNHKテレビからのものです。
桐花紋は政府において広く使われてきていますが、桐花紋がいつ頃から使われ始めたのか、また、その由来については定かではありませんが、従前から慣例により使われており、定着してきているものです。
なお、紋章について一般にいわれていることなどを記しますと、
1. 桐花紋は、植物のゴマノハグサ科に属する白桐を紋様化したものといわれています。
2. 桐は、聖天子の出現を待ってこの世に現れる鳳凰という瑞鳥(めでたい鳥)の宿る木だといわれており、天皇のお召しものにも桐や鳳凰などの紋様が使われるようになったといわれています(はっきりとはしていませんが、一説によれば嵯峨天皇(786~842年)の頃から使われているようです。)。
3. 明治政府は、明治5年に大礼服(重大な公の儀式に着用した礼服)を定め(太政官布告「大礼服制」)、例えば勅任官(天皇が任命した官吏)は、その上着に「五七の桐」を用いることとされました。明治8年には、勲章の旭日章が制定され、デザインの一部に桐花紋が使われました。
総理大臣官邸では、以前から外国の賓客の接遇のための晩餐会等の招待状や食器、閣議室の大臣席の硯箱や大臣の表彰状などに「五七の桐」を使用しています。
平成15年10月から首相の記者会見の際にも「五七の桐」を付した演台を使うようになりました。
「五七の桐」は桐花紋の代表的なもので、3枚の桐の葉の上に中央に7つの桐花を、その左右にそれぞれ5つの桐花を配した図柄となっています。