1855年製のワインを贈ったプーチン大統領の気持ち

4月29日、モスクワを訪問した安倍晋三首相を昼食会に招いたプーチン大統領は、安倍首相に1855年のワインを贈り、安倍首相はスポーツ愛好者の同大統領にスキー板を贈った。


共同記者会見をする安倍、プーチン両首脳(4月29日、モスクワ)
NHKテレビの画像から

このワインの一件、どう理解すべきだろう。朝日新聞は「同年に結んだ日露通好条約を意識した演出」と書いているが、1855年は間違いなく、同条約(正しくは「日魯通好条約」)を締結した年だが、これは同大統領のどの意思を示したものだろうか?

  1. ロシアは1855年条約の時に戻って、いずれ日本に北方4島を引き渡すつもりだ、
  2. 日本が1855年条約の時に戻ってロシアが北方4島を引き渡してくれるだろうと念じているのはよく理解しているよ、
  3. 今、1855年条約に準拠して北方四島を引き渡すことは出来ないが、あなたたちの主張は解っているつもりだよ、

今年の2月16、17日の両日、私は、日露友好フォーラム運営委員長として駐日ロシア大使館の幹部と大使の令息・令嬢計8を、同フォーラムの4団体、約50人を引率する形で、1855年にその条約を締結した下田の長楽寺にご案内した。

今回のワイン同様、ロシア側に少しでも、この条約への理解が進めばこんないいことはない。この条約で日ロ間の国境は、択捉島と得撫(ウルップ)島との間ということが決められているからである。

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