2014年2月までにアメリカは3万200人の米軍を撤退できるかが注目されている。そうした中で、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバーンは6月18日、カルザイ政権との和平交渉に入る方針を発表した。そのための事務所をカタールの首都ドーハに開設した。
タリバーンの旗
一方、カルザイ大統領は首都カブールでの記者会見で「タリバーンと交渉するため、近く代表団をカタールに派遣する」と述べた。長年、武力対立を続けてきた両者の対話の舞台が整うことになる。
はたしてこれが内戦の「終わりの始まり」となるか、前途は楽観できない様子だ。ロイター通信によると、オバマ米大統領は「(和平は)簡単ではなく迅速には進まないだろう」と述べたという。
カルザイ政権側は、この交渉に担当窓口となる高等和平評議会のメンバーを送り込む意向のようだ。
オバマ政権はカルザイ政権とタリバーンとの和平を支持する方針を2011年に表明。タリバーンとのルートを持つカタールを舞台にタリバーンとの協議を続けてきた。しかし、米側が拘束しているタリバーン幹部の釈放などをめぐり溝が埋まらず、昨年3月、タリバーンは協議中断を宣言していた。
タリバーン側もその後、アフガン国内でゲリラ戦やテロを激化させてきたが、政権復帰の展望は開けないまま、日本やフランスで開かれた国際会合に代表団を派遣するなど、外交に活路を見いだすシグナルを送っていた。
タイバーンの旗は、本来、白旗だった。次第にその中央に『コーラン』冒頭のシャハーダ(信仰告白)「アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒」と書きこんだ旗を用いるようになった。なお、カルダイ政権側の掲げる国旗の中央にはモスク(イスラム寺院)が描かれ、それらを麦の穂と剣で囲み、その上にシャハーダを書いたもの。
また、シャハーダはサウジアラビアの国旗も大きく描かれている。