カタール首長が譲位

ペルシャ湾岸の親日国カタールのハマド首長が「譲位」(61)が6月25日、国民向けにテレビ演説し、「国益と人々の幸せ優先を」と言って首長の座を四男のタミム皇太子(33)に譲位したと発表した。


11:28というユニークな縦横比を持つカタールの国旗

ハマド首長は皇太子時代の1995年、宮廷クーデターで父のハリーファ首長(当時)を退けて即位し、豊富な天然ガス収入で国内の近代化を進めたほか、アラブ各国や欧米への投資を活発化させた。

「アラブの春」では各地の反政府勢力を支援するなど域内外での存在感を強めた。

タミム新首長は、英サンドハースト王立陸軍士官学校の出身。国軍副司令官や、2022年に同国で開かれるサッカーW杯招致委員長などを歴任し、かねて譲位に向けた準備を進めていたとされる。

カタールは世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国で、原発停止に伴い火力発電が増えている日本はカタール産LNGへの依存度を高めている中で、内外のメディアの多くは、この譲位で同国の外交やエネルギー政策が大きく変化する可能性は低いが、今回の首長交代が万一にでも、何らかの政治的混乱につながらないか注目が集まっている。

珍しい形での玉座の移動であり、権力の継続を示すためにも、国旗の変更はしないのではないかと思われるが、注目しておきたい。この国旗には、もともと赤だった部分が太陽にさらされて変色した際、この色のほうが特徴的だと正式に採択されたという経緯がある。

なお、東日本大震災に対するカタールからの支援は膨大で、義捐金としておくられてきたもののほかに、日本財団や難民を助ける会などNGOのプロジェクトに数億円から十数億円もの助成を行っている。

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