暑中お見舞い申し上げます。
連日の猛暑につられ、つい、ビールの話が続きます。いいえ、暑い中でも、国旗のことを思い出しているといいたいのかも(無理筋?)。
赤い星は北海道庁や札幌の時計台の屋根のすぐ下の部分などにも付いていますが、この季節、やはり、サッポロビールのマークが思い浮かびます。
そこで、サッポロビール㈱にメールで由来を確認する問い合わせたところ、即刻、返事をいただきました。感謝の気持ちを込めて、せめて今夜はいつもの麒麟ラガーを止めて、サッポロにしようと思います。
お問い合わせいただきました赤い星のマークは、1964年、社名を「日本麦酒株式会社」から「サッポロビール株式会社」に変更したときに、採用させていただいております。星の形は、開拓使の旗印である、五稜星を描いた「北辰旗」を由来としております。
また、黄色の星のマークは、2003年に、サッポログループを再編を実施した際、酒類事業会社として新たにスタートした「新サッポロビール社」が採用したマークです。2004年より、この輝くゴールドの星をイメージした明るいイエローのマーク「サッポロ シャイニングスター」を、コーポレートマークとして、採用しております。
また、NPO法人HEARTの運営するHP,北海道人には、この赤い星が北海道の古くからのシンボルであると次のように記されています。
5つのトンガリのある星は、「五光星」とか「五稜星」とよばれる。
北海道の記録に初めて登場するのは、明治5(1872)年のこと。この年1月に、開拓使付属船の船長だった函館の蛯子末次郎(えびこ・すえじろう)という人が、船の旗章として青地に赤色の五稜星を考案したのが始まりといわれる。明治3年の太政官布告により、外国に行く船には国旗とともに所属する省府藩県の旗を掲げることが決められ、船艦用の旗章が必要になったのだ。開拓使の記録をまとめた『本支庁文移録』には、そのときの説明文と図案が残っている。
「此五陵形旗章ノ原因タルヤ、北晨星ヲ象リ、則青色地ニ赤色ヲ點付ス」
北晨(北辰)とは、北極星のことだ。この案は開拓使に採用され、明治5年2月に外務省や大蔵省のほか、神奈川・兵庫・長崎・新潟県に通達され、正式に「北海道船艦旗章」として認められることになった。
★明治5年「北海道船艦旗章」となった五稜星の図。ていねいに青と赤で彩色されている。
現在の星印より心持ちふっくらしている。(『開拓使公文録』 / 北海道立文書館所蔵)
蛯子末次郎 / 天保13(1842)年~大正元(1912)年
箱館で生まれ、蘭学者の武田斐三郎のもとで航海術を学んだ。ちなみに、武田斐三郎は函館五稜郭の設計者である。もしかすると、末次郎は恩師の造った五稜郭をイメージして星の旗章を考えたのかもしれない。(写真:「函館市史編さん室のホームページ はこだて人物誌」より)
前に述べたように、国旗で「赤い星」といえば、北朝鮮や旧ソ連の国旗、そして「黄色い星」となれば「金星紅旗」と呼ばれるベトナムの国旗と「五星紅旗」と呼ばれる中国の国旗です。「金星紅旗」は1945年にさかのぼることができ、「五星紅旗」は1949年10月1日に天安門前広場で劇的に掲揚されたのが始まり。いずれも、旧ソ連国旗の強い影響を受けたデザインである。