京都とカナダの紅葉

このごろの新聞広告は、安売りの旅行と健康食品で氾濫している。もはや企業のステイタスとしてのイメージ広告など望むべくもないのか。


カナダの国旗「maple leaf flag」。
1964年東京オリンピック直後に、英仏系の融和を基盤として、全面改訂された。

そんな中で、紅葉真っ盛りの嵯峨野、嵐山(渡月橋)、東福寺(通天橋)、清水寺(清水の舞台から見る絶景)、南禅寺、哲学の道、法然院、下賀茂神社、光明寺…を1泊2日で見て、新幹線、朝食のみ付、拝観料込みで2.89万円(同室の二人で参加)というのには驚いた。

内外での旅行界のダンピングのような激しい競争には驚くほかない。

以前、ある先生の墓参で京都を訪れたとき、ライトアップした夜の高台寺の紅葉を眺める機会があった。池の水面に反射して、それはそれは感嘆、感激、言葉を失う美しさだった。

あんまりきれいだったので、翌朝、もう一度、訪ねてみてがっかり。池の水はわずか数センチ、庭の路はゴミだらけ。友人に話したところ、「銀座の超美人ホステス(と思った女性)に翌朝再会したようなもの」と、私にはよく理解できない世界の話にたとえていた。

閑話休題。

カナダの国旗は、ご存知、maple leaf flag(カエデの旗。もう一つのカナダの公用語である仏語ではL’Unifolié「一葉旗」)。京都の紅葉とカナダの紅葉。もちろん、どちらもすばらしい。ただ、京都ではあくまで、人工的に植栽したカエデなどの樹木であり、カナダの紅葉はすべて自然のままなのである。

どちらがいいと比べるべきものではないが、もう一度、秋にカナダを訪ねてみたい。背伸びしてでも、解像度の高いカメラを買って。

そんなことを考えながらANAインターナショナル・ホテルに入ると、ロビーで米国人フォトジャーナリストKit Naganuma(The Japan Timesでコラムを連載)さんの写真展(以下に転載)が行われていた。繊細な、いかにも日本的な美しさを捉えていると感心して眺めさせていただいた。

やはり、京都の紅葉もカナダの紅葉もいいなぁと、カナダの国旗を思い出してしまった。

そうそう、カナダのカエデは、サトウカエデ。樹液からメイプルシロップを採取する。これが開拓時代に大いに食料の助けになったそうだ。日本のカエデはイロハモミジが多いようだが、カエデ科の植物は日本でも20~30種類あるとか。詳しくは、これをご覧ください。

http://homepage2.nifty.com/chigyoraku/report5.html
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