運転中でしたが、慌てて車内から斜め前を行くトラックを撮したのがこれ。おなじみのアート引っ越しセンター。実は、我が家も年度替わりを機会に、久々に家具や本の大整理と処分と書棚などの改築に取り組み、一昨日、トランクルームに何十箱もの荷物を預けました。
そこで何となく引っ越し屋さんのことが気になっていたさなかに、この緑黄赤の横三色を見てしまったのです。
この三色は20世紀の初めからエチオピアの国旗の色でした。中央のマークは「ソロモンの星」。ソロモンとシバの子孫というのがかつてのエチオピア帝室家であり、今ではエチオピア国民だというのですから、この星になったのはわからないでもないのですが、実はこの星はハイレ・シェラシエ皇帝が廃されるまではついていなかったものです。
正式な旗には「ユダヤのライオン」というしるしが付いていましたが、今の紋章はその後、1996年のアトランタ五輪の直前に付けられたものなのです。
帝政末期には皇帝自身の不正が暴かれたり、民衆のゼネストが起こったりして、皇帝は急速に統治能力と権威を失っていました。そこで起こったのが陸軍によるクーデタ。1974年9月2日早朝、宮殿内で皇帝は軍人たちによって逮捕、即刻廃位され、拘禁されたまま、翌年亡くなりました。しばしば殺害説、処刑説が報じられますが、真相はどうなのでしょう。
はなしが大きくなり過ぎました。要するに、アート引っ越しセンターさん。エチオピアはアフリカ各地が植民地になった時代、イタリアに数年間占領されたとはいえ、一貫して独立を貫いた国なのです。ですから、いつの日かの全アフリカの統一を夢見、連携と協力を強めようと、1960年前後に独立したギニア、ガーナ、マリ、セネガル、コンゴ共和国などなど、この三色で国旗をデザインしている国がたくさんあるのです。
このままでは御社はアフリカに本社を引っ越ししてはいかがですかと誘われかねませんよ。その時は非文化的タディ引っ越しセンターをご活用ください。安くしときまっせ(笑)。