シンガポールの国旗は、私にはどうも腑に落ちないデザインだ。
隣国インドネシアの国旗に月と星をつけたようなデザインであり、風のないときなど区別がつけにくいこと、イスラム教強国ではないのに、イスラムの象徴である三日月を用いていることだ。
もともとは、1959年に英国から自治権を獲得したとき、マレー連邦の1州の旗として採択したものを、62年のマレーシアの独立、そして65年にマレーシアから分離独立するときに、よく考えないで、州の旗をそのまま使用することを決めたんじゃないのかとさえ、勘ぐってしまう。
赤は平等と世界人類の融和、白は純潔さと美徳、五つの星は、進歩・正義・平等・平和・民主主義を、三日月はイスラム教の象徴と新興国家の発展を支えるものという。
先日、麻布のシンガポール大使館の前を通ったが、ほとんど無風状態で国旗ははためかない。しばらく風待ちをしていたところ、日本人の守衛に「撮影禁止!どいてどいて」と言われて引き下がった。テロリストの下見とでも思われたのかな?
大事なことはASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国は、数年前から、その大使館で、自国旗とASEANの旗を併揚していることだ。
ASEANの旗は2007年に制定。安定し、平和裡に結束し、活力に満ちたASEANを表す。旗に使用されている青、赤、白、黄色は加盟国の主要な色を表す。緑は東南アジア、東アジアの国旗はない(例外は最近変わって登場したミャンマーの国旗のみ)。全国旗に共通なのは赤。青は平和、安定を表し、赤は勇気、活力を表し、白は純粋を表し、黄色は繁栄を表す。中央に描かれているのは稲の茎。友好と結束で結ばれた東南アジアすべての国から構成されるASEAN創設者たちの夢を表す。円はASEANの統一性を表す。