3月13日付読売新聞は「力合わせて世界一 チリのアルマ望遠鏡」という見出しで、日本の新聞がめったに特派員を派遣しない南米チリから中島達雄記者の珍しいニュースを報じている。
アルマ望遠鏡の正式名称は「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」。その英語表記の頭文字をとった略称がALMA。宇宙にある極低温のガスやちりから届く波長0.3~9.6ミリメートルの電波をとらえる。観測に邪魔な大気中の水蒸気が少ない、乾燥した高地ということで南米チリの5,000メートルの高地に総工費約1000億円で建設された。このうち日本は256億円を負担したとのこと。ほかにアメリカとEU諸国とが協力した。
記事は次の通り。
【サン・ペドロ・デ・アタカマ(チリ北部)】日米欧の国際協力で2002年から南米チリに建設していた世界最高性能の電波望遠鏡「ALMA(アルマ)」がほぼ完成し、12日(日本時間13日未明)、報道陣に公開された。13日(同14日未明)には、完成記念式典が開かれる。
アルマ望遠鏡は、チリ北部の標高約5000メートルの高地にあるアタカマ砂漠に建設。66台の可動式パラボラアンテナのデータを組み合わせることで、直径18.5キロ・メートルの巨大なアンテナに相当する観測性能を持つ。現在は57台がそろい、今年10月には全66台が稼働する予定だ。
観測性能は、東京から約500キロ・メートル離れた大阪に並べた二つの1円玉を2個と識別できるほどで、従来の電波望遠鏡の10~100倍。宇宙が誕生した直後の銀河の観測や、星の誕生の仕組みの解明などが期待される。
公開されたALMA望遠鏡。
標高5000メートルの高地に巨大なパラボラアンテナがずらりと並ぶ。