最有力の変更後のNZ国旗案。世界に誇るラグビーチーム「オール・ブラックス」のシンボルとして著名なシルバーファーン(銀の羊歯)が描かれ、現行の国旗にある南十字星のデザインを残すことで、現状維持派にも配慮している。
各紙の報道や通信社の記事を総合すると、ニュージーランドの国旗について変更の可否を問う国民投票が2016年に実施されそうだ。ニュージーランド政府は10月29日、国旗のデザインを変更するかどうかを決める国民投票につき閣議決定し、ジョン・キー(John Key)首相同日その旨発表した。
国旗の変更を重要施策の一つに挙げていたキー首相は、9月の総選挙で過半数の議席を獲得・勝利して続投を決めたばかり。「ニュージーランドの国旗であることがより明確に分かるデザインへの変更を強く支持し、変更を考えるのに適切な時期だ」と述べた。
これについては、退役軍人の団体など国民の一部からは反対の声があるものの、3期目の政権を発足させた中道右派の与党・国民党のビル・イングリッシュ(Bill English)副首相兼財務相が今後、新国旗の候補選出に向けたさまざまな政治的問題を協議する超党派の委員会を招集する予定だという。
順調に行けば、まず、この委員会が選出したデザインの中から候補を一本化するための国民投票を2015年に実施。翌16年に、最終候補への変更または現行デザイン維持のいずれかを選ぶ2度目の国民投票を実施する予定という。
これまでの国旗はオーストラリアの国旗と酷似していることから変更しようということで、英連邦内での地位は変わらないものとみられている。
他方、オーストラリアの場合は労働党政権が英国の自治領という今の地位(国家元首はエリザベス女王)という立場を変え、「オーストラリア連邦共和国」にという動きが、一時ほどではないが強くある。非公式にはすでにコアラやカンガルーを描いたものまで数千の変更案が出ているほど。
ニュージーランドの国旗変更の動きは英連邦の抜本的変革の第一歩となるかも。
これでもし、NZの国旗から「ユニオンジャック」が消えると、このタイプの国旗はほかにツバル、フィジー、クック諸島の3カ国のみになりそうだ。