12月17日、日米両国は双方にとってかけがえのない大切な人を喪った。日系初の上院議員(ハワイ州選出)で故郷と日本とアメリカをこよなく愛したダニエル・イノウエさんだ。
合掌
各紙がいっせいに追悼記事を書いているが、短いながらも要点を言い尽くしているのが、昨日のよみうり寸評。
17日に死去した米上院議員、ダニエル・イノウエさんは右腕がない。第2次世界大戦のイタリア戦線でドイツ軍と激戦して失った◆ハワイ・ホノルル生まれ。日米開戦の真珠湾攻撃は17歳で迎えた。やがて日系人は強制収容所へ。イノウエさんら若者は米国に忠誠を示すため米軍に志願した◆「当たって砕けろ!」の勇猛な2世部隊として名をあげたあの第442部隊。失った右腕は自動小銃を抱えて突進した奮戦のあかし。戦後、政治の道へ。1959年、ハワイの州昇格とともに日系初の連邦下院議員◆62年上院に転じ、2010年に9選を果たした。在任50年、失った右腕がどれほど日系人の地位を高め確かなものにしたことか◆その88歳の生涯を悼む。「米国はきょう、真の英雄を失った」とオバマ大統領。「偉大な世代の勇気、アメリカン・ドリームを体現した」とパネッタ国防長官◆昨年、日本政府は桐花大綬章を贈った。日米の絆の修復に腐心する今、改めて失った人物の大きさを思う。イノウエさん、アロハ!