世界遺産と国旗 – ボリビアの元銀山のポトシ市街

ポトシはボリビアの首都ラパスから南東に約440kmに位置する都市の名。標高は富士山より高い約4,000m。市街地としては、世界最高地点です。


ボリビアの国旗

ボリビアの国章

ボリビアの国旗の紋章に出てくる有名なセロ・リコ銀山(ポトシの山、原意はスペイン語で「豊かな丘」)を始めとする「ポトシ市街」は、1987年、ユネスコの世界遺産に登録されました。かつては南米3大山と言われた産出量を誇っていましたが、金も、銀も錫も掘り尽して枯渇した歴史は、人類の欲望むき出しの歴史と往時の奴隷制度の象徴としての悲劇を記す「負の世界遺産」というべきでしょう。

1545年、スペイン人が発見し、翌年から開発が始まりました。早々に中南米三大銀山に数えられるほどの銀の産出量でした。最盛時の人口は20万。しかし、19世紀にはすっかり枯渇した上、独立に伴う戦乱で、荒廃が進みました。その後、19世紀末からは錫が大量に採掘されるようになり再び活気を取り戻しましたが、今では錫もほぼ掘り尽したといわれています。それでも、今なお、ほとんどツルハシとショベルだけの手掘りを続けている坑夫もいるようです。

掘削に当たる鉱夫の中には強制的に集められたインディオやアフリカからの奴隷もいました。成功報酬は高かっとはいえ、古来、多くの命を奪った歴史を重ね、これまでに800万人(!)もが犠牲になったとさえいわれ、「人食い山」として恐れられていました。


ポトシ市街地(写真はウィキペディアより)
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セロ・リコ銀山とポトシの街並み
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