伊勢神宮の国旗掲揚塔に翻る美しい「日の丸」を見ながら、思い出すのは、出雲大社の、掲揚されている国旗としては間違いなく最大の「日の丸」のこと。
大きさ? まずは想像してみてください。
旗の大きさは縦9m×横13.6m(畳75畳分)掲揚塔の高さは47mです。旗布の重さが49㎏もあります。
それはともかく、こうした超大型の旗を作るには大変な技術と、労力、時間、費用がかかります。威風堂々とはこのことです。YouTubeにははためいている画像も出ていますからご覧になってみてください。
ところで、キリスト聖書塾発行の『生命の光』という「原始福音信仰証誌」というのが、なぜか毎月、恵贈されてきます。その通巻第676号。今は亡き手島郁郎という方が創刊された教団の機関誌かと思います。
そこに、宮廻 桂(みやさこ・けい)ちゃんという9歳のお嬢さんの文章が出ています。「日本一の日の丸」という題です。
出雲大社の日の丸は、
天までとどくような高さで
風に吹かれているのがとってもきれい。この日の丸が、日本で一番大きいと
はじめてわかったときは、
おどろきました。わたしの家のすぐ近くに、
日本一があるなんて
うれしいなぁと思いました。
私は、2008年秋、出雲大社に参拝しましたが、当日は激しい風雨、嵐でした。レンタカーの中から門を見るほか施しようがなく、帰京後、社務所にメールで以下の質問をしました。「お社の国旗掲揚塔と国旗についてお伺いします。
①ポールの材質
②ロープの材質
③日の丸の布地の材質
④製作した旗屋さんの名前
⑤国旗の大きさ
(数字で教えてください。何m×何m)
早速、吉川雅昭権禰宜こんな簡潔明瞭なお返事をいただきました。
「当社の国旗掲揚塔はコンクリート製で、中が空洞となっております。ロープではなく太いワイヤーを使用しており、ワイヤーは掲揚塔の先端から中の空洞部分へ入る形式になっております。従って、外側からは1本のワイヤーしか見えない状態です。電動で国旗を揚げます。
国旗の生地はアクリルバンティング(エクスラン)で、製造業者は平岡旗製造株式会社という所です。
国旗国歌法では、縦横比は2:3となっていますので、この比率は10センチほど横長ですが、もちろん、許容範囲です。
1990(平成2)年に行われた国旗奉納式
学研新書として上梓した拙著『知っておきたい「日の丸」の話―国旗の常識・日本と世界』についてはみなさまに多数ご購読をいただき、ありがとうございます。詳しくはその261ページ以下に書きましたが、新書の性質上、カラーで写真を載せることはできなかったのが、残念です。
その掲揚式の写真を出雲大社から提供していただきました。大きさが実感できるかと思います。