国旗に登場する鳥たち② -パプアニューギニアのアカカザリフウチョウ


パプアニューギニアの国旗

1971年7月1日に制定されたパプアニューギニアの国旗にはアカカザリフウチョウがシルエットで描かれ、黒地の部分には南十字星が描かれています。

赤と黒は長年パプアニューギニアの民族の伝統色です。ウィキペディアは「と同時に、赤・黒・黄の組み合わせはパプアニューギニアを1918年まで支配したドイツ帝国の旗の色である」と説明していますが、これは間違いです。ドイツ帝国の国旗は黒・白・赤の横三色旗で、その後、ヒトラーがハーケンクロイツ(鍵十字)旗にするまでと、第二次世界大戦後の西ドイツの国旗、すなわち、現在のドイツ連邦共和国の国旗の色であって、これではウィキの信用に関わります。

アカカガリフウチョウ(赤飾風鳥、学名:paradisaea raggiana)はスズメ目フウチョウ科の鳥類。このラジアーナという名はジェノヴァのフランチェスコ・ラッジ侯爵にちなみ、同じくジェノヴァ出身の探検家で博物学者のルイージ・ダルベルティスが命名したのだそうです。この鳥については、マゼランの「航海記」(1521)にも美しくも珍しい鳥として記述があります。

ところで風鳥という名前のいわれには、これまた悲しい誤解の物語があります。

太平洋地域との通商が盛んになりだした頃、現地で足を切り落とした剥製がヨーロッパに持ち込まれ 「足がないため 生涯飛び続ける鳥」 との伝説が生まれたのです。「風」を食べて生きているという話にさえなりました。

アカカザリフウチョウはフウチョウの中では大型のほうで、赤茶色の体に灰色がかった青い嘴を持ち、虹彩は黄色。雄は黄色い頭頂部と濃いエメラルドグリーンの喉を持ち、喉と黒っぽい胸の間に黄色い帯があります。

以下は、今度は信用し、ウィキペディアに拠ります。

尾には針金のように細い飾り羽が1対あり、胸の脇にも大きな飾り羽を持つという特徴があります。脇の飾り羽の色は、赤からオレンジ色まで亜種によって変異があるとされている。

基準亜種P.r. raggianaの飾り羽は深紅だが、ニューギニア島北東部に生息するアウグステヴィクトリアアカカザリフウチョウ(P. r. augustavictoriae Cabanis)の飾り羽は杏色である。雌は赤茶色で目立たない。

雄は姿かたちがあまりに美しいため、楽園の鳥になぞらえてゴクラクチョウ(極楽鳥)とも呼ばれます。特に、人間同様(?)、とんでもない、人間と違って(!)オスが美しいのです。

一度是非、お目にかかりたいと思っていますが、上野動物園でも雌しか飼育されていません。ただ、特に種の絶滅が心配されているほどの希少な種ではないようです。

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