エストニアで
天皇皇后両陛下は2007(平成19)年5月、バルト3国と呼ばれる、エストニア、ラトビア、リトアニア(北からの順)をご訪問されました。両陛下が旧ソ連諸国を訪れるのは初めてのことでした。現地の新聞「ポスティメース」は24日付の朝刊一面に「エストニアへようこそ」と日本語でも見出しを付け、両陛下の訪問を紹介する記事を掲載しました。日本との友好的雰囲気はこの「皇室外交」で一層高まったのでした。
「歌の広場」野外劇場での両陛下
イルヴェス大統領主催昼食会でスピーチされる天皇陛下
その時の天皇陛下のお言葉は短いものでしたが、熟慮された内容で、各国の人々に大きな好感を与えました。また、皇后陛下は、3国の国旗の色をアレンジした帽子、花飾り、リボン、着衣、ベルトなどを召され、これまた大きな印象を与えたのでした。
24日、バルト三国最初の訪問国・エストニアに到着し、歌の広場野外劇場で3600人のコーラスでの歓迎を受けられました。
エストニアは2004年に悲願のEU(欧州連合)加盟を果たし、現在まで経済が極めて好調、また、当時既に大相撲で把瑠都関が活躍することもあって、日本への関心が高く、両陛下のご訪問を国民は特別な思いで迎えたのだそうです。
両陛下が「歌の広場」に到着すると、8,000人もの人々がリトアニアと日本の小旗を振り、歓迎しました。両陛下は、大変感激した様子で「思いやり」「美しい歌」などエストニア民謡に耳を傾けられ、最後は日本古謡「さくら」でした。この場所では5年に1回、10万人にもよる大合唱祭(ユネスコの世界遺産)が開催され、それがソ連時代にあってもエストニア人の心を繋ぐ民族行事となっていました。
また、両陛下は市内でも大歓迎を受け、集まった市民に笑顔で手を振られました。